The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

映画

アンジェイ・ワイダ『カティンの森』

西部邁ゼミナール 現代映画事情【2】映画『カティンの森』 http://www.mxtv.co.jp/nishibe/youtube/index.html?201001 もう終わってしまったと思うけど、岩波ホールでアンジェイ・ワイダ監督の『カティンの森』が上映されていて、先月、休日出勤の振替で平…

 B・オバマの『アメリカの約束』とM・ムーアの『華氏911』

8月29日に行われた米民主党・オバマ氏の大統領候補指名受諾演説は「アメリカの約束」と題され、終盤の安全保障に触れたくだりで、「軍の司令官として、私が国を守るのをためらうことなどあり得ない。しかし私は、明確な使命と、必要な武器や帰国後に受けとる…

『1978年、冬。』(中国映画、李継賢監督)

これはなかなか素晴らしい作品だった。そんなに観てる人もいないと思うので、歴史に残るようなものではあり得ないけど、とても感じのいい映画だった。 http://www.1978-winter.com/ 1978年――「文化大革命」から「改革開放路線」への折り返し点にあたる時代に…

映画『靖国 YASUKUNI』について

月曜日か火曜日に店頭に並ぶ雑誌『表現者』に、映画評論(?)を掲載していただきました。 表現者 2008年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: ジョルダン発売日: 2008/06/16メディア: 雑誌 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る 「表現の自由とナショ…

『靖国 YASUKUNI』

映画を観た人のインタビュー動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm3219078 ↑登場する観客のコメントにはほとんど賛成できないが、それ以上に、「チャンネル桜」のコメンテーター、インタビュアーの紋切り型のイメージ誘導にもウンザリ。繊細で微妙な議論を…

若松孝二『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』

ベルリン国際映画祭と東京国際映画祭で賞を取っているとのことで、万人受けするテーマではない(しかも、メチャクチャ暗い)にもかかわらず、劇場の客入りは想像したよりも盛んだった。かなり出来の良い作品で、この映画は今後、たとえば大学の(社会科学・…

木下恵介監督『二十四の瞳』

二十四の瞳 デジタルリマスター2007 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 2007/06/27メディア: DVD購入: 2人 クリック: 74回この商品を含むブログ (25件) を見る やっぱ木下恵介いいわ〜。 この作品を「反戦映画」としてしか観られないようでは、…

松本人志『大日本人』

大日本人 通常盤 [DVD]出版社/メーカー: アール・アンド・シー発売日: 2007/11/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (157件) を見る これは想像以上に面白かった。ただ、「映画」というよりはやはり「コント」の延長と捉えた方がい…

石原慎太郎『俺は、君のためにこそ死にに行く』

G:detail] 映画の思想的、政治的、歴史的、美学的なメッセージがどうのこうのと言う以前に、そもそもテクニカルな次元の話として、漫画的に――いや漫画未満の――いい加減な作りの作品であった。特に脚本が支離滅裂で、プロの仕事としては完全に失格レベルなの…

『マニュファクチュアリング・コンセント』(N.チョムスキー)

1992年に発表され、22個の映画賞を受賞したドキュメンタリーフィルムだ。DVDなのに、なぜかAmazonにもmixiレビューにも「和書」として登録されているので、カタログ更新の提案を送っといた。 ノーム・チョムスキーは「生成文法理論」を創始した言語学者だが…

『幸せのちから』

この『幸せの力』(原題は“the Pursuit of Happyness”で、ハピネスの綴りが間違っているのはわざと)は実話をもとにしているらしい。 商売に失敗して奥さんに逃げられ、幼い一人息子を連れて(家賃が払えないため)住処を追われながら、奇跡的に投資会社のイ…