The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『幸せのちから』

この『幸せの力』(原題は“the Pursuit of Happyness”で、ハピネスの綴りが間違っているのはわざと)は実話をもとにしているらしい。 商売に失敗して奥さんに逃げられ、幼い一人息子を連れて(家賃が払えないため)住処を追われながら、奇跡的に投資会社のイ…

山田風太郎『あと千回の晩飯』

主に老後論と食事論。 一番面白かったのは197頁からの「少年時代の映画」というエッセイで、これは後で覚えていたらコピーしておこう。 小津安次郎、夏目漱石などの食事の記録も紹介されていて面白い。 「それに白内障も悪いことばかりではない。眼は、風景…

メルロ=ポンティ『眼と精神』——芸術論の傑作中の傑作

最近、「芸術」について書かれた本をいくつか読んでみている。そのうちの一冊。 本書には、メルロ=ポンティの3つの講演と1つの論文が収められている。表題になっている「眼と精神」という論文は、メルロ=ポンティの生前に出版された最後の著作だ。以下、こ…

石川啄木『時代閉塞の状況・食うべき詩 ほか十篇』

(2018.2.22追記 とあるメルマガに、このブログに書いたのと同じような内容の文章を書きました。パクりじゃねーのと思う人がいるかもしれないので、注記しておきますw) 啄木の歌集は素晴らしいが、彼の文芸・社会評論もなかなか面白い。明治40年代の文学界…