The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

門倉貴史『ホワイトカラーは給料ドロボーか』

ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)作者: 門倉貴史出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/06メディア: 新書購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (36件) を見る 少し前に話題になった「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入の目的のひ…

『ワーキングプア――日本を蝕む病』(NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班編、ポプラ社、2007年6月)

昨年放送されたNHKスペシャル『ワーキングプア』を書籍化したもの(発売は先月)で、当初は『日本の貧困』というタイトルが予定されていたというように、「働いても働いても生活保護水準以下の収入しか得られない人々」の生活をリポートしたのが本書である。…

『ロストジェネレーション――さまよう2000万人』(朝日新聞「ロストジェネレーション」取材班、朝日新聞社、2006年7月)

私も含めて、ごく普通に大学を卒業して正社員として就職した人間には想像し難いことなのだが、「バイト」や「派遣」などの非正規雇用者のなかに、ほとんどチャップリンの『モダン・タイムス』を思わせるような過酷な労働条件で生活苦を強いられている人が、…

鈴木哲夫『政党が操る選挙報道』(集英社新書、2007年6月)

2年前の総選挙で自民党は300近い議席を獲得した。この歴史的大勝は、もちろん国民が自民党を評価して投票したことによるのだが、国民が何によって自民党を評価したかといえば、メディアが報道する(あるいは街頭で演説する)候補者の声と、メディアの上で政…

ハイデガー『ヒューマニズムについて』(ちくま学芸文庫)

ずいぶん前に読んだ本だが、私が触れたことのある哲学書の中では最高に印象深かった作品のひとつなので、ここにレビューしておく。 存在の真理への問い ハイデガーは「プラトンの真理論」という論文のなかで、プラトンからニーチェに至るまでの西欧哲学を、…

鈴木謙介『ウェブ社会の思想』(NHKブックス)

オンラインゲームのなかに構築されているヴァーチャル・リアリティは、いまやひとつの仮想経済圏を成立させるほどの、そして現実の経済圏とも相互応答しはじめるほどの水準に達している。また、データベースに蓄積された個人情報をコンピュータが分析して、…