ブログのエントリを起こす程の内容ではないですが、Twitterだと文字数がはみ出すのでここにメモしておきます。
落合陽一氏がビットコインについて語っている動画がありました。
「さらば、ビットコイン」 落合陽一 - YouTube
昨日、Splatoonのフェスをやりながら流して聞いていた*1だけなので記憶が曖昧ですが、落合氏は、ビットコインが便利な決済手段として実社会に定着するのでなければ、こんなもの世の中に存在する意味がないと言っています。しかもそれは、「サトシ的に正しい」、つまり中央で全てを管理する特権的な主体が存在しない決済手段でなければならない。
そうなれないのであれば、決済手段としては元々ある他の通貨で良いわけだし、投資の対象としても株とか債権とか色々あるわけなので、ビットコインである必要がない。つまり、ビットコインが便利で理想的な決済手段として社会的に定着しない限り、ビットコインを通じたエコシステムは確立しない(決済手段として駄目)し、単に価格が上がった下がったという「ゲーム」を一時的に人々が楽しむだけで、要するに球根バブルとして終わる(投資対象としても駄目)だろう。
で、じゃあ便利な決済手段として定着しそうな見込みがあるのかというと、いま主力になっているビットコインはまず決済に時間がかかりすぎて、イマイチ便利ではない。一方、ビットコインから分派して生まれた他の有力な仮想通貨(ビットコインキャッシュとかいうやつ?)は、開発者のコントロールが強くて、全然サトシ的に正しくない。
ちなみに放送の途中で紹介されるマクロミルの調査によると、ビットコインを保有している人のうち「決済目的」なのは3割ぐらいで、要するに投資・投機目的で保有している人のほうが多数派であると。
というわけで、このままではビットコイン界はヤバイだろう・・・みたいな感じのことを言っていて、なるほどと思いました。
彼が不可解だと言っていたいくつかのことについては、とくに不可解だとは思いませんでしたが。
また、ビットコインを金に喩えて、「決済手段としては不便過ぎるけど、価値の保蔵手段としてはそれなりに使える」ようなものになるのか否かみたいな話がありましたが、金の機能も結局のところ、人間の多くが「金には価値があり、またあり続けるだろう」という信念をどういうわけか持っていることによって成り立っているわけで、ビットコインが金並みの「これ持ってれば安心」感を獲得している/できるとは現時点では到底思えないですね。
ドルや円が、決済手段としても価値の保蔵手段としても割と使えるのは、要するに、アメリカ合衆国や日本国というシステムが簡単には崩壊しないだろうという期待があることと、それらの通貨がすでに制度的・技術的にも社会の色々なところに埋め込まれているということに拠っているのだと思います。(経済学者がどう説明するのかは知りません)
*1:もともとはプレイ中の通話環境として、ゲーム音声とスマホからの音声をミキサーで合成してヘッドフォンに流し込めるようにしてます