The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。このブログの裏で始めた統計&プログラミングのブログのほうがアクセスが伸びてしまい、こっちが裏みたいになってます。

「文系の大学院生」が就活で苦戦する理由

 「『頭のいい』女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル」という記事(リンク)が話題になっていて、Twitterではなぜか「女だからというより、『文系の院生は使えない』からだろ。とくに社会学はダメだ」みたいな話になっていて、以下のようなまとめまで出ていた。
togetter.com


 文系の院卒の就職率が相対的に悪いこと自体は、調査からも明らかになっている。しかし個人的な経験や見聞きした範囲からいうと、事務職・総合職の採用面接*1では最低限のコミュニケーション能力があるか、頭の回転はどうか、常識的に求められる準備をしてきた感じがするか、人柄はどうかなどをみていることがほとんどで、「文系の院生である」という書面上のスペックで評価が下げられるという印象はないし、社会学が何であるかについてほとんどのビジネスマンは知らないし興味もないだろう。
 逆に、「文系の院生に、準備不足なやつが多い」という可能性はあるかもしれないと思ったけど。
 私自身は今年から、企業で働くのをやめて大学にきてしまったので、採用する側の感覚がどんどんわからなくなっていくだろう(逆に学生を企業に送り込む側になる)から、今のうちに、民間企業への就活についての個人的な認識をメモしておこう。

学歴フィルターは存在する

 企業の採用担当は、リクナビとかマイナビを通じて、登録している学生にセミナーの案内を送ったりするのだが、1件1件いちいちリクナビ等に課金されるので、採用担当が確保している予算の範囲内で、必要最小限に抑えるための絞り込みを行いたいと考えるのは当然だ。とくに大手企業の場合、毎年の応募者が数千人になるのだが、この規模になると初期段階でいかに効率的に絞り込むかはけっこう重要だ。説明会で全国行脚するとして、1つ1つの会場で500人くるのか100人くるのかで、かかる費用も動員する社員の数も変わってくる。
 そう考えたら、ひとまず大学のランクで案内先を絞ってみようと思うのは、良いか悪いかは別にして、自然な行動とは言える。専門職の場合はもちろん他に絞込要素があるだろうし、職種によっては性別も絞り込み要素かもしれない。とにかく分母の受験者数が多いので,セミナー案内以外の面でも絞り込みは行われるはずである.
 もちろん、大学のランクみたいな大雑把な指標で人物を評価しきれるわけがないから、逸材を取りこぼすことも、危険人物を釣ってしまうこともあるだろう。しかし危険人物はその後のプロセスで弾けばいいし、逸材の取りこぼしも、毎年100人とか採用する企業にとっては、この100人が全体として有能であることのほうが大事だし、100人も採れば結構な逸材が混じっていることもそれなりにある。また、仕事の能力なんて、働き始めないと分からんことも多い。


 この「人数が多すぎるからフィルターする」段階で「文系大学院在席者」を弾いている企業って、あるのだろうか?
 あるのかもしれないが、私がいた会社では文系大学院在籍者がふつうに面接まで受けていたし、採用もされている。その他の例でも面接までは進んでいる話をよく聴くから、事前に切られているという印象はない。切られるケースも無くは無いのかもしれないが。
 なお、学歴フィルターと言っても、偏差値の高い大学から順に選択されるかは分からない。就職人気度がある程度に達しない会社は、あえて一線級の大学を外したほうが、自社で長く働いてくれる人材を見つけやすい可能性がある。

面接まで行けば書面上のスペックはあまり関係ない

 上記のとおりセミナー案内などの段階で学歴フィルターが働くことは珍しくないと思うが、面接までいくとあまり関係ないと思われる。有名大学に在籍していることは多少の下駄になる(最低限の賢さを持っていると安心してもられる)と思うが、大企業の面接だと既にそこそこ名の知れた大学名ばかりになっていることも多いだろう。
 「文系の大学院(修士課程)」に在席していることが不利になるのかどうかというと、全くならないと個人的には思う。というのも、専門職は別として、大学での勉強やサークル活動やアルバイトの話なんて、一応それぐらいしか話題のない学生も多いから面接で聞きはするものの、企業で長年働いている人間からすればはっきりいって「全く興味ない」からだ。
 サラリーマンが周りを見渡してみれば、20歳そこそこの一時期に何をやってたかなんて全く関係なく様々な仕事をして、様々な評価を得ている人がほとんどだから、「大学で何を専攻してるか」とか「大学院に行ってるかどうか」がその後の職業能力に大きく響くと思っている面接官なんてほとんどいないだろう。ちなみに私自身はどちらかといえば、2年間であっても「研究」のサイクルを回したことがある経験は貴重だと思っていて、文系であっても院生・院卒に対しては好印象を持つのだが、そういう認識を形成して以降、面接官を経験することはなかった。


 就活に成功した学生の話を色々聴くと分かるが、「その会社を受けにきた経緯」として相手が理解しやすい手短なストーリーをでっち上げるスキルを、だいたいみんな持っている。そして、履歴書やESに書いた事柄はいずれも面接で話題になる可能性があるから、とにかくどこを突かれても「ああ、なるほどね」ととりあえず理解させる程度のストーリーをちゃんと考えている。
 「志望動機」というのも、単に「御社の◯◯のビジネスに興味がありまして」みたいな話をすればいいのではなくて、履歴書やESに書いた他のこととストーリーがつながるように説明できないといけない。もちろん、「大学では◯◯を専攻してますが、実は結果的にそれにはあまり興味を持てませんでして(笑)、いまは個人的にこういうことを調べてて関心を持ったんです」みたいに、「関係ない」ということを積極的に説明するストーリーだってあり得ると思う。学部だろうが院だろうが、専攻が何だろうが、なんか尤もらしいストーリーを考えればいいだけの話なのだ。
 それに、「学問の内容」について述べる必要も必ずしもなくて、たとえば「大学院では、研究テーマを考えたり論文を書く際に、先行研究とか公的な統計情報とかを徹夜しながら死ぬほど調べました。そういう、調べて何かを明らかにするという作業が自分は好きなんだと分かりまして〜」みたいな言及の仕方だってあるだろう。実際に調べ物をろくにしてない人でも言えるし、会社の仕事に調べ物はつきものなので、どこを受けるにしても関係がなくはなさそうだ。

失敗する原因はたぶん「準備不足」

 理系に比べて文系の場合は大学院に進学する割合は低いから、目立つとは言えるだろう。つまり「納得のいく説明を求めるポイント」が増えるとは言える。
 しかし、たとえば面接官に「あなたは大学院で◯◯を専攻してて、うちの会社の仕事と関係なさそうな気がするけど、いいの?」と聞かれて、相手に「なるほど」と言わせる回答が即座にできないのは、単にでっち上げ練度が低いか、準備不足ということだろう。
 もともと学生時代にやっていた活動の延長上にある企業を受ける場合は、理由を「でっち上げる」必要はないだろうけど、たいていの人は何十社か幅広く受けるので、そういう工夫が必要になる。その工夫は大して高度なものではないのだが、意外とできない人、やらない人がいる。何か強いこだわりを持っていて、相手にあわせてストーリーをでっち上げるなんてことには抵抗があるという人もいるだろうけど、それよりは単純に「いいストーリーを思いつかない」人と「そういうストーリーの準備が必要だと分かってない」人が多い気がする。


 たとえば、ものすごくローカルな企業(や市役所)を受けるのに、「あえてその地域で就職したいと思った理由」を全く考えてなかったらダメだろう。とくにその地域の出身者でないのであれば、「なんてわざわざこんなところで就職するの?」と聞かれるのは当然で、事前に回答を考えとかないといけない。でも、その程度の準備もしてない就活生は、一定割合でいると思う。
 そもそも履歴書やESというのは、面接官にどういう質問をさせたいか、面接官とどういう話がしたいかを考えて誘導するように書くべきものだと学生時代に教わったのだが、たぶんそのとおりだ。もちろん嘘を書くわけにはいかないが、それでも書きながら、どういう会話をするか想像することは必要だろう。これは、会社に入ってから営業提案とか社内稟議の書類を作る場合だって同じ話である。
 文系の院生は、少数派=外れ者ではあるから、学部3〜4年生の時にみんなと一緒にそういう「最低限の準備」をする経験をしておらず、そのせいで「準備の必要性」を認識していないといったことはあるのかもしれないと想像したが、どうだろうか。

就活はたいていの人が思うより多様

 私にも言えることなのだが、就活や採用というものについて1人の人間が知っている側面は非常に限られているので、ほとんどの話は話半分に聴くべきだ。
 どういう人材が求められるかは、業種によっても、職種によっても、会社の規模によっても、会社の文化によっても、その時会社が抱えている課題によっても、さらには会社内の部署によっても、その部署にいる社員のパーソナリティによっても、異なってくる。私も含めて大抵の人は、自分が知っている狭い範囲の経験に基づいて語っているのだが、だいたい人間は自分の視野の広さを過信しがちで、自分の考えが一般的に当てはまると勘違いするものなので、注意が必要だ。
 就活には、結局「やってみないとわからん」面が結構ある(スキルが絶望的に低かったり、神レベルで高かったりすると別だろうけど)。上記のような「準備」を全くしてなかったら落ちるということは分かるが、それなりの準備をしているのであれば、あとは運だと思って数をこなすしかないんじゃないだろうか。

*1:「専門性を生かしたい」とか思ってる人は自分で間口を狭めてるだけだから、考察の対象外とし、ここでは「学部卒の奴らと同等に就職したい」と思っている文系院生のみを想定してるので、主に事務職・総合職の採用について考える。

うちの大学における保険営業

 追加で個人年金に入ろうかと思っていたところへ、たまたま保険会社の人が営業にきていたので、年金の資料をもらいつつ、保険営業について(単なる興味から)いくつか質問をした。以下は教えてもらったことのメモ。

  • うちの大学における保険営業は、日本生命とジブラルタ生命の二強となっている。
  • 二強のそれぞれの強み:ジブラルタ生命の強みは、日本教育公務員弘済会(日教弘)の保険商品の代理店をやっていること。日生の強みは、早期にうちの大学の加入者を囲い込んでいたので、団体割引が効かせられること。
  • 日教弘の保険は、小中学校の先生は半数ぐらいが加入しており、大学の教員もけっこう入っている(加入者全部で60万人ぐらい)。
  • 日教弘は、研究助成や奨学金などの事業もやってるのでコストが余分にかかっている面もあるにはあるが、対象が教職員だけなのでリスクが低く評価されている面があり、また広告宣伝も殆どやらないため、差し引きでみると保険料は割安になっている。
  • 日生は個人年金商品を推していて、年金控除のメリット(「一般保険料の枠以外に、年金の枠も使いましょう」)を唱える営業をしている。
  • 一方、ジブラルタ生命は、日教弘の商品も売っているが、自社のドル建て運用の(年金に似た)保険を推していて、金利が高いことのメリットを唱えている。
  • 最近は、保険料の割安感だけでみればやはりネット生保には勝てないのだが、何だかんだで、担当者が付いていないと安心して保険に入れないという人も多く、ネットに制圧される感じはない。
  • 新興の生保会社が破綻したりしても政府が9割ぐらい保証するから、大して心配はないのだが、昔からある大きい会社のほうが安心という人もやっぱり多い。
  • 外貨建て運用の保険商品は、一般には嫌がる人もけっこういるのだが、大学の教員は為替や金利に関する理解がある程度あるので、売りやすい。

11年前に聞いた、おでん屋のじいさんの話

 2006年の冬だったと思うが、夜中につくば市の408号線を車で走っていたら、道路脇の駐車場というか空き地のようなところにおでん屋の屋台があるのをみつけたので、友人と3人ぐらいで入ってしばらくおでんを食いながら店のじいさんと雑談しした。
 ある程度広さのある敷地で営業していたので、トラックの横にテーブルとテントが出してあって、たぶん6人ぐらいは座れるスペースになっていたと思う。その後たぶん、近くの深夜営業してる喫茶店で何かの相談をして帰ったと思う。
 そのときの屋台のじいさんの話をメモした紙がでてきた。当時日記を書いていたので、忘れないように喫茶店で紙にメモしたんだろうと思う。
 けっこう面白いじいさんで、もう一度会いたいと思うが、もう死んでるかもしれない。


 以下その時のメモ。

  • 今年の7月1日からこの場所で屋台をやっている。今74歳。
  • 昨年12月に、ばあさんを亡くした。ばあさんは5人目の妻で、26年間連れ添った。
  • 最近、もう少し生きるか、それとも死ぬかと考えているところ。なんか生きてても仕方ないしなぁ。ばあさんも死んだし。
  • 大変な人生だったが、悔いは全くないな。でもなぁ、ちょっとは悔いのある人生のほうが良かったな(笑)

 

  • 昔、浮気をしてお姉ちゃんの家に泊まって朝風呂に入った。俺は百姓だったから、朝風呂なんか入ったことなかったんだけど。それで涼もうと思って表に出たら、妻が立っていた。その後、家に帰ってみると誰もいなかった。子どもたちを連れて実家に帰ったようだった。

 

  • 俺はこのへんの百姓の家に生まれたんだが、18歳のとき初恋にやぶれたのが嫌になって家を飛び出して、伊豆まで行って就職した。
  • そこで三島市役所の総務課長の娘でシズヨさんという女性と親しくなった。2つぐらい年上だったんだが、後から解釈するとあれは俺のことが好きだったんだと思う。でも俺は18で子供だったから、自分の姉ちゃんぐらいにしか思ってなくて気づかなかったんだよなぁ。
  • そのうち俺は実家に戻ることになっちゃって、伊豆を離れる前日に、シズヨさんから呼び出されたんだよ。川のせせらぎが聞こえるきれいな所だったな。それでも俺、気づかなかったんだな。「なんで今日に限ってこの人は怒ってるのかな?」なんて思っていた。
  • その人とは、俺が実家に戻ったあと、何回か手紙のやり取りをした。今で言えばラブレターか?ラブレターのやり取りをしたな。
  • それから何年もして、妻と一緒にシズヨさんのところを訪ねたことがあるんだよ。それでわかったんだが、あの時その村で、俺とシズヨさんが妙な仲になっているって話が広がったらしい。やましい関係はなかったんだけど。それで、市役所の総務課長の娘だから、これが問題になって会社が仕事をもらえなくなったら困るからということで、俺は実家に帰されたらしい。

 

  • 娘が高校を出てからすぐ就職したんだが、1年ぐらい経った頃のある日、いつまでも家に帰ってこねえんだよ。それ以来、18年間音信不通。まぁたいがい、別居してた本妻のところに居るんだろうと思ったけどね。それで娘も30何歳になって、俺にあるとき電話がかかってきてさ、「悪いことをしました。謝罪に行ってもいいですか?」って言うから、まぁいいよと。今、50歳になる娘なんだけど。あんたらも親は大事にしろよ。親を思う子は無し、子を思わぬ親は無しって言うけど……。

 

  • 俺、こんなボーっとした顔してるけどね、神社仏閣が好きなんだよ。鹿島神宮は国宝だね、あれは。俺も鹿島様の信者なんだけど。ただ困るのは、鹿島様は武運の神様なんだけど、商売繁盛とかそういうのを一切認めてくれないわけ。俺の商売どうすりゃいいんだよ。今日もお参りしてきたけど、そのおかげで全然客が入らねぇよ。あんたがたで今日、まだ5人目だからな。

 

  • こないだ、そこの近くの病院に見舞いに行ってきたけど、ひどいね!老人がみんな、こんなになって、もう人間じゃないような生き物がいっぱい居るんだよ。ありゃダメだね。
  • 瀬戸内寂聴の死生観には賛成だ。人間、自分で自分のことをできなくなったら、自分で死ぬべき。安楽死はOKにすべきだ。

 

  • 群馬に赤城山の見えるいい温泉があって、いっぺん行ってみたいんだよなぁ。でも俺の彼女も死んじゃってな(笑)。やっぱり1人で行っても思い出にならないからなぁ。

暑くなるとまじで不審者が増える?

 暑くなると不審者が増えると言われ、たしかに最近気づいたんですが、私が住んでるつくば市の竹園・千現・二の宮らへんの不審者情報配信が6月の下旬ぐらいから増えた気がします。
 春以前の情報を保存してなかったので比較ができないんですが、こんなに連日不審者情報があるってことはなかったなぁ。

1 日時  平成29年6月28日(水)午前11時頃
2 場所  並木小学校西側公務員官舎敷地内(並木二丁目付近)
3 概況
・不審な男が空き家になっている公務員官舎の給湯器を取り外していた。不審に思った
警備員が声をかけたところドライバーを振り回し,並木小学校方面に逃走した。
4 不審者の特徴
・50歳ぐらいで小太りの男
・紺色の合羽,ベージュのズボンを着用

1 日時  平成29年6月30日(金)16:20頃
2 場所  近隣公園(竹園3丁目), 竹園ショッピングセンター入口交差点付近
3 概況
 ・近隣公園脇の歩道を歩いていた児童が,下半身を露出した男がベンチに座っているのを目撃した。その後,複数の児童がショッピングセンター付近でバスを待っていたところ,その男が下半身を露出して自転車で通り過ぎた。
4 不審者の特徴
  ・60代男性
  ・黒の長袖,黒のズボン,黒っぽいニット帽を着用

1 日時  平成29年7月5日(水)7:30頃
2 場所  吾妻4丁目手押し信号付近
3 概況
 ・児童が登校中,赤い乗用車に乗った男に「車に乗っていく?」と声をかけられた。児童は,走って逃げた。
4 不審者の特徴
 ・30~40代男

1 日時  平成29年7月6日(木)17:00頃
2 場所  洞峰公園内体育館付近
3 概況
・女子生徒3人が話をしていたところ,白人男性がサッカーボールを生徒の方へ転がして近づき,「勉強してる?日本人?」と声をかけ,生徒1名の頭を撫でた。

1 日時  平成29年7月7日(金)15:30頃
2 場所  洞峰公園内体育館付近
3 概況  
・女子生徒2人がバドミントンで遊んでいたところ,白人男性1人(事案1と同一人物)が,「ラケットを貸して」と言ったので,一緒にバドミントンをしていた。その際,生徒1人の頬や手の甲にキスをしたり,顔を触れられたりした。その後,生徒たちが現場を離れようとしたところ,バドミントンのラケットを投げつけてきたので,体育館内に避難した。
4 不審者の特徴
・年齢40歳~50歳,身長180?くらいで細身の白人男性
・タンクトップ,短パン,顔にひげ,バンダナを巻きサッカーボールを持っている。
・自転車に乗っている。

1 日  時  平成29年7月8日(土)16:00ごろ
2 場  所  二の宮公園内プール
3 概  要  市内男子児童2名が二の宮公園のプールにいたところ,男の人に追いかけられた。男は,黒の水着・帽子・ゴーグルでベンチに座っていた。最初は,プールの中で近寄ってきて「学校どこ?」と話しかけてきた。相手にせず避けていたら,プールの中を追いかけてきた。プールから上がっても執拗に追いかけてきたので,監視員に助けを求めた。すると,その男はいなくなっていた。被害はなかった。
4 特  徴 ・20~40歳ぐらいの男性
       ・身長160~170cm位 中肉中背
       ・黒の水着,帽子,ゴーグル

1 日  時  平成29年7月10日(月)18:50頃
2 場  所  第三公園
3 概  要  
・児童2人が公園内で遊んでいたところ,自転車に乗った男性が,公園の中をじっくり見ながら,進んだり止まったりしていた。
4 特  徴
・20~40歳ぐらいの男性。
・中肉中背で眼鏡をかけている。短髪。
・上下黒っぽい半そで,短パン。
・自転車のカゴに黒のバックを入れている。

1 日時  平成29年7月13日(木)午後4時30分頃
2 場所  つくば市花畑2丁目
3 概況
・児童が1人で歩いていたところ,車に乗った男性に「車に乗っていかないか」と声をかけられた。「だいじょうぶ。」といって児童は逃げた。
4 不審者の特徴
・30~40代の太った男性。身長165cmくらい。鼻の下にひげ。
・水色のTシャツ。白色でロゴ入り。
・シルバーの車に乗っている。

1 日  時  平成29年7月13日(木)23:30ごろ
2 場  所  つくば市谷田部地区内
3 概  要  市内中学生の保護者が,自宅敷地内で車から降りた際に,不審者に背後からカッターのようなもので切りつけられた。けがの程度は軽傷であった。昨晩警察に通報した。今朝,警察に確認したところまだ捕まっていない。
4 特  徴 ・背後から切りつけられたため不審者の特徴は不明。

1 日時  平成29年7月18日(火)午後4時30分頃
2 場所  二の宮4丁目ライオンズマンション前の遊歩道
3 概況
・児童が歩いて帰宅していたところ,洞峰公園の方から二の宮交流センターの方に歩いている不審な男を目撃した。男は,ナイフのようなものを持っていた。不審に思った児童はすぐにその場を立ち去り,被害はなかった。
4 不審者の特徴
・身長170cmくらい。40歳代男性。
・小太り,薄毛
・黒の上下の服(長袖),サングラス,黒い大きなバッグ

 7月13日(木)23:30頃,市内中学生の保護者が自宅敷地内で車から降りた際に,不審者に背後からカッターのようなもので切りつけられたという情報について,7月14日にメール配信をしたところです。この件につきましては,該当校から「昨晩,つくば警察署から解決したとの連絡をうけた」という報告がありましたのでお知らせします。


 こうやって並べてみるとつくば市ってめっちゃ治安が悪いように思えてくるけど、どうなんでしょうね。
 基本的には、良いほうだと思うのですが。

「犯罪者の家族」を弁護士が叩いてたw

 Abema TVの「Abema Prime」という番組で、オウム真理教でかつて「アーチャリー正大師」と呼ばれた麻原彰晃の3女*1のインタビューがあり、前編はみた。
 後編は5/22に放送されるらしい。プライム会員になっていれば、タイムシフトで今も前編を見れる。


abematimes.com


 元アーチャリーはどういう人生を送っているのかというと、11歳のときに父の麻原が逮捕され、その直後は後継者指名されていたので形式的に教団トップになったものの、「子供のくせに」とか「親の七光り」とか教団内部でも批判されて、世間からも批判されるので大変だった。
 それで嫌になってきた頃、ふつうに学校に行ける土地が見つかったとのことだったので移住したが、小学校を出ていなかったので中学校に入れてもらえず、特別教室で勉強していた。その後自殺未遂とかいろいろあったが、中学校の卒業検定試験を受けて高校に進学した(番組では出てこなかったが大学にも行っている)。
 16歳のときにアレフが発足したが、このとき教団とは縁をきることに決めて、所属もしていないし教団に行きもしないしお金も受け取っていない。6人兄弟のうち2人と同居していて、バイトで生計を立てながら、2015年に手記を書いて出版した。


 さてこのAbemaの番組の方向性は、アナウンサーの堀潤氏の「犯罪加害者の家族の人権の問題を考えたい」というコメントに象徴されるように、よくありがちな逆張り路線であった。「アーチャリーが人を殺したわけじゃないのに、社会から迫害されてきたのはかわいそう」「小学校の教育を受けてなかったのに、苦労して高校・大学を卒業したのは偉い」みたいな綺麗事が繰り返されている。
 まぁその綺麗事には正しい面もかなりあるし、悪いことをした人の家族を迫害するのは日本社会の野蛮性の発露であることは間違いないと思うのだが、単にそれを野蛮だと言って「人権ガー」と騒ぐのはなんか個人的にはノリ切れない。


 一方、2015年に日テレのNEWS ZEROという番組が元アーチャリーのインタビューを取っており、ネットで違法アップロード動画とかを探したい人は探せばいいと思う。元アーチャリーが手記を出版した直後に放送されたやつだ。
 こちらの番組は、どちらかといえばその「野蛮」寄りの内容で、「犯罪者の娘として反省と謝罪が足らんぞ」みたいな論調でアーチャリーを叩いている。これはこれで、逆に野蛮すぎる気がしてノリ切れない。そもそも、インタビューに応じてもらっといてスタジオで叩きまくるのって、品がないような気もするし。


 日テレのほうのインタビューで、元アーチャリーは概ね、

  • オウムが事件を起こしたということは、だいたい理解した。
  • 自分を大切にしてくれた人、自分にとっても大切な人たちがひどい事件を起こすのは信じられなかったが、その事実を少しずつ受け入れていった。
  • 殺人やテロを麻原が指示したという点については、本人の口から聞くまでは自分のなかで保留している。
  • 被害者については、なんでオウムのせいでこんな苦しみを受けなければならないのかと思うと、何と言っていいか分からない。
  • 16歳以降、教団とは全く関わりがない。


 というようなことを語っているのだが、これに対してスタジオのコメンテーターが全員で、「被害者に対する謝罪の言葉がない」「これだけ情報があるのに、麻原がやったか分からないとはおかしい」みたいな感じで叩いていた。
 番組への感想をまとめたブログ記事があって、概ね番組の雰囲気を伝えていると思う


yy-news.com

 
 ジャーナリストの岩田公雄という人は、結局何がいいたいのか分からないコメントをしていたのだが、雰囲気としては「アーチャリーは本を出したりしてるが、教団の悪についての追究がまだまだ足りない」といいたげであった。


 次に弁護士の紀藤正樹という人が、「私はアーチャリーを裁判所で尋問したこともあるんです。今回、実名と名前を出してインタビューに応じたというのは彼女にとって成長の過程だと思うんですね。彼女も被害者っていう側面はあったと思うんです。ですけども、やはり11歳とか12歳という段階はね、私が子供のときをみても、その段階で誰かをイジメたら、大人になって悪かったなって謝るようなことってあると思うんですよね。彼女自身も、松本智津夫死刑囚の側近として、手足として指示をする、教団の信者あてに指示をする役をやってたんですね。ですから、その中では、独房修行をさせられた信者もいるし、暴力を振るわれた子供さんもいらっしゃる。アーチャリーがやったというふうに証言されている人もいるんですね。そういう人に対する謝罪の思いとかですね、そういうのは本の中から出てこないんですよね。ですからそこがすごく、まだ超えられない壁があるんだなと思います」と述べていた。


 続いて読売新聞特別編集委員の橋本五郎という人は、「衝撃的なのはこれが化学テロだったこと。それからこの平和な日本で国家を転覆しようとして、人を殺してなんとも思わないような人がいたということ。そのことを書いてないというのは相当深刻なことですよ。個人のレベルでどうこうじゃなく、もっと国家としてどうしていくか考えないといけない、そういうものを残していると思いますね」とコメントしていて、最後の一文は完全に意味不明なので無視しよう。


 そしてアナウンサーの政井マヤという人が、「整理されていない危うさを感じる。彼女が今のアレフや、麻原の意思を引き継ぐような人に利用されないことが大事」と述べたところで、またさっきの弁護士が出てきて、「それ大事な指摘なんです。三女・松本麗華さんの本というのは、結局、『松本智津夫死刑囚がやったかどうかは分からない』と言ってるんですね。それってまさにアレフが言っていることを代弁してるんですよ。この本はきっと利用されるでしょうね。彼女は、アーチャリーという存在の影響力にまだ気付いてないというところがですね、やっぱ彼女が超えられない壁っていうのがもう一つあるんですよ。アーチャリーっていう自分の与えられた使命みたいなものを、捨てないといけないですよね。捨てた上で、自分の行ったことも含めて全部明らかにして初めて彼女の成長があるんです。そうなれば我々だって応援してあげたいんですけどね」


 この弁護士の人のコメントには異様なものを感じた。まず、揚げ足取りかもしれないが、最後の「与えられた使命みたいなものを捨てないといけない」というのは完全に意味不明だ。少なくとも16歳ぐらいからは教団と縁を切っていて、何の使命も果たそうとしていないのは明らかなのだから、捨てろと言われても何を?って話だろう。


 まぁそれはそれとして、一番気になったのは、犯罪者でもない人のことを弁護士が悪人呼ばわりして、「謝れ」とか「もっと成長しろ」とかテレビで断罪するのって、けっこう珍しいんじゃないだろうかということ。
 元アーチャリーは物心ついたときから変な教団施設に入れられていたわけだから、少なくとも当時は一般的な道徳心が育っていなかった可能性はあり、しかも教団内で地位を与えられていたわけだから、変な指示を出すのに加担した形になっているケースは、あってもおかしくは無いなとは思う。
 しかし、法律を扱うのが本業である弁護士が、その法律の世界において結局裁かれることもなかった人間のことを、テレビで「お前も犯罪者の一味だろ」みたいに叩いている姿って、けっこう異様なのではないだろうか。


 いやまぁ、そういうキャラで生きてるんだったら別にもういいんだけど・・・。
 上のブログ記事が言ってる「インタビュアーの『一方的に振りかざす正義(のようなもの)』に強く疑問を感じただけの企画でした」という感想を抱く人はけっこういるんじゃないかとは思った。

*1:以下、「アーチャリー」とか「元アーチャリー」とか深く考えずに適当に呼びます。

森友学園問題を理解するための個人的なメモと、まとめ年表

 こないだ深夜バスで大阪から東京まで移動する必要があって、やることがなくて暇だったので、籠池氏の証人喚問(計4時間ぐらい)を全部見た。それまであまり森友関係のニュースは追いかけていなかったのだが、あのおっさんが喋っているのを4時間も聴いていると人物像のイメージがつかめてきたし、質問者によっては論点をそれなりに整理してしゃべっていたので、ある程度理解が進んできた。
 しかし肝心なことはよく分からないというか、証人喚問でやり取りされている論点がどうでも良いことばかりのような気がして、国会と世間の騒ぎ方の方向性が変なのではと思うに至った。それであれこれ検索して記事を読んでいると頭が混乱してきたので、今の時点での理解をメモしておくことにする。時系列が分からなくなりがちなので、下の方に年表もまとめておいた。
 主に自分の頭の整理のために書いているものであり、正しさは保証しない。あと、ダラダラと書いてるので読みやすいかは微妙である。
 
 

何の問題なのか

 証人喚問の映像を見ていると、要するに与党は籠池氏を批判して「このおっさんは嘘つきで頭がおかしい」という話にしたがっており、野党は「籠池氏と安倍夫妻や稲田大臣は仲良しである」という話にしたがっていることが分かる。
 さてそれでは、籠池氏と仲良しだったら何がいけないのかということなのだが、これは大きく分けると2つある。


 1つは、籠池氏の教育理念が右翼的で偏向しているという話で、それに共感しているということは安倍総理も右翼的偏向を持っているということになる。また、右翼的偏向は単なる好みの問題だとしても、森友学園は保護者や子供に対して、パワハラ・差別・虐待めいた対応をしてきた経緯があるとされており、そんなところに加担するのはいかがなものかという問題もある。
 もう1つは、籠池氏が学校の用地を取得したり学校開設の認可を取りに行くにあたって、不当な利益を得ており、安倍首相らが仲良しということは、それを政治的圧力によってサポートしているのではという話である。不当な利益とされているのは主だったところでは、「9億いくらと評価された土地を1億いくらで買い取ることができた」件と、「財務状況の不安等から学校設置認可は得られそうになかったのが、意外とすんなり、条件付き認可適当の答申を出してもらえた」件である。


 他にも、たとえば「森友学園にとって有利になるような学校設置基準の緩和が行われた」という話があるが、規制緩和自体は合法に決定されたものであるので、籠池氏の陳情がいくら織り込まれていようが、ひとまずスキャンダル性は低いと思うことにしよう。
 また、「2015年に見つかった有害物質の撤去費用1億3000万円強を、2016年度予算で措置して国が払ってくれた」件もあるのだが、この件は籠池氏の証言では、「そんなの国の瑕疵なのだから払うのは当たり前の話で、むしろ待たされて、工事が遅れて迷惑だったのを許してやったのだ」という話になっている。これは、森友学園が先に廃棄物を撤去してから事後請求しているものであり、「金額は森友学園の言い値でいいのだろうか」という疑問はあるが、もともと国が払うべきであったという理屈は立つ。政治家の口利きによって通常ありえない対応が実現したとかいうものではないだろう。*1


 まとめると、

  • 変な教育方針の問題
    • 右翼的偏向
    • パワハラ・差別・虐待
  • 不法な利益と汚職の問題
    • 土地の大幅値引き
    • 私学審議会


 という4点ぐらいの問題が存在して、これらをつなげて「安倍首相は森友学園の変な教育方針に共感しているのだから、不法な便宜を図ってもいるに違いない」というストーリーで政権叩きに使われているわけである。
 「8億円値引き」の件がクローズアップされてきたので、「教育方針の問題」を先に書くまとめ方は順番がおかしいと思われるかもしれない。べつに重要度の順に並べたわけでもないのであるが、もともとこの問題を最初に告発した木村真豊中市義は、「極右の学校だから潰してやりたい」というのが動機だったと明言しているし、事実その後、稲田大臣の「教育勅語の核の部分を取り戻したい」という発言をめぐって数週間騒ぐことになったので、右翼vs左翼の戦い的な側面は、意外と大きな論点ではあるのである。
 
 

「仲良しだったかどうか」論争

 籠池氏は関西の保守人脈の中でかなり顔の広いおじさんのようなので、広義のものも含めて、政治家に色々と「口利き」をしてもらっているのは事実なのではないかと私は思う。また、学校設立認可の申請についても、安倍昭恵夫人が名誉校長になっているのだから、普通に考えたら役所の側にもある程度の「忖度」が働くのは当たり前だ。銀行からの融資なんかでも、政治家に口を利いてもらってる可能性があるという記事もみた。
 しかし、「口利き」や「忖度」があったと言っても、それらが「不法」な行為を伴っているとは限らない。行政事務にも、合法に加減ができる幅はあるもので、その幅の中で偉い人の口利きに応えることは、道義的にどう受け止めるかは人それぞれであるし場合にもよるとしても、罪に問えるわけではない。
 「不法行為を働いていなければ一切騒がなくていい」とは私は思わないのだが、2ヶ月にわたってあらゆるメディアを賑わし、国会で証人喚問までやってるのだから、不法行為の一つぐらいは出てきてもらわないと割に合わないだろう。たとえば学校認可を出してもらうために、籠池氏が政治家に現金を渡して圧力をかけてもらったりしていると、あっせん利得処罰法などに違反することとなって、大変盛り上がるはずだ。


 というわけで、まずは不法行為があったのかどうかを順を追って議論すればいいと思うのだが、実際には、


与党 「籠池のおっさんは嘘つきで頭がおかしい。安倍総理はこんな奴と仲良しなんかじゃない」
野党 「いや、安倍さんと籠池さんはめちゃめちゃ仲良しだったはず。講演したり寄付したり」
籠池 「私は仲良しなつもりでした。色々よくしてもらってますんで」


 みたいなしょうもない言い争いに、かれこれ2ヵ月ぐらいが費やされているわけである。
 国会の証人喚問は、籠池氏が「安倍昭恵夫人経由で、首相から森友学園に100万円寄付してもらった」と発言したのが問題になり、与党側がそれを打ち消そうとした流れの中で行われたものだ。自民党の竹下国対委員長は「総理に対する侮辱だから」というのを証人喚問の理由に挙げていたが、頭がおかしくなったのだろうか。
 そもそも、公職選挙法に抵触するような形ででもなければ、学校を建てようとして寄付金を集めている知り合いのおっさんに100万円寄付することは、べつに問題ないはずである。だから、この100万円寄付論争が仮に決着したとして、そこで明らかになる真相とは何なのかというと、「安倍首相と籠池氏が(100万円プレゼントする程度に)仲良しだったか否か」だけである。
 昭恵夫人付き職員のFAXとやらをみると、籠池氏の陳情を役所に取り次いでいるわけなので、安倍夫妻は「口利き」の一種を働いていることは間違いない。しかし先生経由の陳情なんて役所においてはよくあることであり、陳情を取り次ぐこと自体は犯罪でも何でもない。


 つまり大騒ぎしている割には、意外にも、不法行為を追及するという流れになってないように見えるわけである。
 口利きが不法であることを示すには、その口利きの内容が何かの規則に違反する不当な内容である必要がある。詳しく知らないが、政治家を通じて不当な要求をしている場合、結果として便宜が実現しなかったとしても(トライしてもらうだけで)何かの罪になる場合もあるんだろう。
 今回は、何かを試みたことを追及しているというよりも、「結果として8億値引かれた」「結果として私学審議会がOKを出した」ことから話がスタートしているから、まずはその結果がルールに反する不当なものであるかどうかから検証されるのが順当だと思う。
 「8億円値引いたプロセスは何々の基準に違反しており不当である!」⇒「その当時の責任者は誰々です!」⇒「実はその裏で政治家の関与がありました!」という話なら騒ぎ甲斐もあるので、まずは8億円の値引きが不当かどうかから順に検証していけばいい。しかしメディアや国会が、いきなり最後の「口利き」のところばかり取り上げるもんだから、わけが分からなくなっている。要求したことの内容や、結果として実現したことの内容が「不当なもの」でなければ、口利きをしていたところで大きな問題ではないのに。


 しかもその「政治家の関与」にしても、一番盛り上がるのは直接的な「指示」を出して法を捻じ曲げる的なやつだろうが、安倍総理が直接的に動いたという話はほとんど出てきていない。そこで役人の「忖度」によって物事が進んだのではないかという間接的な関与(といってもこの場合罪に問われるのは役所の方だろうけど)が話題になりはしたのだが、それを検証するのに必要な、近畿財務局や私学審議会の人たちの証言というのはほとんど出てこない。
 それで結局、「口利きが合ったかどうか」ではなく、「忖度があったかどうか」ですらなく、「安倍さんと籠池さんは仲良しだったか否か」を国会で追及するという大変愉快なことになったわけである。いやまぁ、口利きや忖度への言及もされてるんだけど、メインテーマは「100万円」の件であって、これは「仲良しかどうか問題」でしかない。
 
 

8億円問題は結局どうなのか

 森友学園が政治的な圧力によって便宜を図ってもらったのではないかと指摘されている点は、いくつか出てきているが、よく知られたメジャーな論点は、


(1) 私学審議会で森友の学校設置認可申請について「財務状況がかなり危ういのでムリ」との指摘が相次いでいたのに、なぜか「条件付きで認可適当」との答申が出た件。
(2) 2015年に森友学園が行った有害物質の撤去費用1億3000万円を、2016年度予算で措置して払ってもらった件。
(3) 借地契約から買取契約に変える際に、ゴミの撤去費用として8億円強を値引いてもらった件。


 あたりであろう。これらは、「不当な内容」を「政治的圧力で通した」と言えるものなのだろうか。
 (1) について、内容的には「不当である」と言える可能性は高いだろう。騒動が勃発してからの話ではあるけど、最終的に申請を取り下げさせられてるし。論点としては、森友学園の財務状況に不安があるという点とか、大阪府の基準では土地は原則自己所有でなければならないという点は、解決したのかが怪しいわけである。後者について、貸主が国や自治体であれば敷地に借地が含まれてもよいが、借地に建物は建てられないことになっている。森友学園は購買予約付きの借地というある意味グレーな状態だった。
 そういう課題がある中でいったん「認可保留(継続審議)」とされた1ヶ月後に急に「条件付き認可適当」となったプロセスは、殆ど何も明らかになっていない。松井知事と橋下元知事は、「橋下知事時代に規制緩和を猛烈に推し進め、新規参入を最大限認めましょうということになってたのだから、役所がその意向を忖度してゆるい結論を出すことは当然あり得る」と述べている。これは自分たちの非を認めているようにも見えるが、森友学園との個別的な結びつきを問題にさせないためのカモフラージュかも知れない。
 (2) については先ほども述べたが、森友学園からしたら「国が払うのが当然」かつ「待たされて迷惑だった」という案件で、その言い分には一理あるので、「不当な内容」とまで言えないのではないかと私は思う。下の年表に出てくる、周辺の土地のケースも含めた過去の経緯からすると、1億円強を国が支払うというのは突出した金額でもない。


 そこで(3)である。もともと森友学園問題が騒ぎになったのは、木村真という豊中市議が、「森友学園への土地売却について、売値が非公開というのはおかしいではないか」と2月8日に大阪地裁に提訴したのが始まりだ。その動機は「極右の学校なので潰してやりたい」ということだったらしいが・・・。その2日後に国から売値が公開されて、「ちょw 9億が1億てwww」と話題になったのである。
 問題の土地はもともと、「10年以内の買い取り」という条件付きで、2015年から森友学園に有償で貸与されていた。国としては基本的に貸与はせず買い取らせる方針だったようで、かつて豊中市が無償での貸与を求めたときも、「基本は貸与ではなく売却だ」と譲らず揉めている。森友学園側は財務的に苦しかったので、「10年以内になんとか買いますから」ということで、特例的に定期借地にしてもらったのだ。ここも口利きポイントだったかもしれないが、プロセスはよく分からない。口利きを求めたことがハッキリしているのはその後の、「学校経営という事業の性質上、10年間では不安なので、50年に伸ばして経営を安定させたい」という陳情のほうで、こちらは例の夫人付きFAXにもあるように断られていて実現していない。


 さて、森友学園がこの土地を借りて学校建設に着手し、まずは土地の整備から始めるわけなのだが、掘ってみたら有害物質が埋まっていることが判明した。下の年表にも書いているが、このあたりの土地にいろんなものが埋まっているということは以前から明らかだったので、賃貸借の話がまとまる前の段階(籠池ノートによると2015年2月)で、国と森友学園は「建設前の土地の整備に係るお金については、国が2015年度予算で払いますんで」と約束していたようだ。
 それで森友学園は「実際掘ってみたら廃棄物が出てきたので、何とかしてくれ」と2015年9月に国に陳情する。ところが国は、「今年度予算にそのおカネが入っていない」と言って断った。森友学園としては「ふざけるな、話が違うじゃないか」と怒るわけなのだが、ひとまず撤去は先に自分たちで実施して(籠池氏の言い方では費用を「立て替え」て)、事後的に国に費用を請求することにした。これも何か、口約束的なものはあったのではないかと思うが、よく分からない。森友学園側はめちゃめちゃ怒ってるが、なんとか次年度の予算で早々に払ってくれよという調整を付けたわけである。


 そしてちょうどその支払の直前であった2016年3月になると、こんどは生活ゴミが大量に見つかった。これでまた予算化を待たされるとなると開校の予定にも間に合わなくなってしまうので、籠池氏としてはそれはどうしても避けたかった。
 そこで国に対して再び陳情を開始するわけである。もともと2015年の陳情でも、「撤去費用は森友負担でいいから賃借料を半分にまけて欲しい」的なことは言っていたようで、この2016年の陳情でも同様のことを主張した可能性は高い。証人喚問でも、籠池氏は「感覚的に半分ぐらいになったらいいなと思った」と述べている。
 しかし、代理人の弁護士に交渉を任せていたところ、この弁護士は「買い取ったほうが得です」みたいなことを示唆してきたので、森友学園は買い取りを希望することにした(このあたりも、理屈やプロセスがよく分からない。財務省は証拠を捨ててしまったし、弁護士は辞めて逃亡したので)。撤去費用が8億いくらと見積もられて(籠池氏は当初、この金額を知らなかったらしい)、差し引き1億円強という金額で買い取れることになったのである。


 さて、この撤去費用の8億円の妥当性についてなのだが、色々読んだ感じからすると、国交省(大阪航空局)と財務省(近畿財務局)で見積もるにあたって、ゴミの量の確認はろくに行ってないみたいなので、たぶん計算は適当だったのだろう。財務省の国会答弁でも、「単価」の設定等については「通常のルール通りだ」と詳しく説明していたが、「数量」についてはごまかしてる印象だった。
 で、森友学園側はもともと「年間2700万円」で借りていたのを「半額ぐらいにしてほしい」と思っていて、半額×10年にするとちょうど1億いくらになるので、この水準に合わせてゴミの撤去費用を適当に合わせたのではないかと疑われているわけである。
 その可能性も否定はされないので、検証すればよい。しかし、である。あまり報道されていないのだが、周辺の土地も過去に大幅に値引きされてたという事実があって、この問題はややこしいのだ。


 今年の2月9日、つまり木村真・豊中市義が大阪地裁に提訴した翌日に、朝日新聞等がこのことを記事にしている。「だいたい同じ広さの隣の土地が、豊中市には14億円で売られているのに、森友学園には実質1億いくらで売られて10分の1になってるのはおかしい!」ということで騒ぎになったわけである。
 ところがこの時の報道では、2010年に豊中市に土地を売ったときも、実質的には14億円ぐらい値引きされて、タダ同然になっていたことが伏せられているのである。売却とほぼ同時に、住宅市街地総合整備事業補助金(国交省)で7.1億円、地域活性化・公共投資臨時補助金(内閣府)で6.9億円が国から支払われ、さらに売買契約が瑕疵担保責任ありだったので、豊中市による土地の事前整備時にかかった盛り土封じ込め費用の約2000万円も国から支払われた。ちなみに当時は民主党政権である。
 他にも近隣で、給食センターを建てる目的で2015年に豊中市に売った、似たような広さの土地がある。これは約7億円で売ったものの、その後に整備を始めたら瓦礫が見つかって、豊中市側で撤去費用を見積もったところ14億円ぐらいかかることになったとのことだ(笑)
 この契約には瑕疵担保責任が定められているので、「国が払うべき」と言って現在進行形で揉めているようだが、詳細は不明である。


 森友学園が今回買った土地は、2011年頃に大阪音大も買取りを希望していて、この時は音大側がゴミの撤去費用を2億5000万円と見積もっている。森友の「8億円」は、工事を開始して杭を打ち始めてから明らかになったゴミに関するものなので、本当に大量のゴミがあるのかは上述のとおり不明であるものの、一応、音大の試算より高くなる理屈はあると言える。
 また、国が貸した土地にゴミが見つかって小学校の開校が遅れたとなると、森友学園から損害賠償を求められる可能性があるから、売却交渉をさっさとまとめようと思ったという財務省の説明は、保身のために言ってる部分もあるだろうが、理屈は通っている。売却契約には瑕疵担保責任の免除(以後さらにゴミが出てきても国は責任を持たない)条項も付けるわけで、その分安くなるべきとも言える。


 これらを総合すると、「森友学園に8億円値引きしてやったのが妥当か」というと、妥当ではない可能性は結構あるが、「意外と妥当だった」という可能性も、「他の売却案件も同程度にいい加減だった」という可能性もまだある。他の案件も適当にやってるなら、ことさら森友学園の件だけ口利きがあったのではと騒ぐのも変かも知れないのだ。
 だから改めて調査をやって、「▲8億は妥当なのかどうか」⇒「妥当じゃないとすれば誰の責任か」⇒「背景に政治家の口利きはあったのか」という順番で話をしていけばよい。
 だいたい、財務省が証拠を捨てていたり、2月下旬に籠池氏に「10日間ぐらい姿を隠してくれ」と頼んだりした経緯からして、いろいろ怪しそうではないか。ところが、その点の追及に向かうことはなく、メディアも国会も「安倍と籠池は仲良しか問題」にしてしまっているところが意味不明である。
 
 

なぜわけの分からない感じになっているのか

 上のまとめも、下の年表も、世間が盛り上がっている話題がなかなか理解できなかったので頭の整理のために書いてみたものであって、私個人としては、「真相を知りたい」とはあまり思わない。学校建設の件で、籠池氏や安倍総理が何をしていようが腹も立たないし、嬉しくなる要素もない。
 ただ、世間が盛り上がっている割に、盛り上がり方の方向性が変だと感じられたので、「どうせ騒ぐなら、こういう議論をすればいいのでは?べつに騒がなくてもいいけど」と思って整理をしているところである。
 その程度のものなので、このエントリを起こすにあたって、ソースの確認などを厳密には行っていない。だいたい分かればいいので。


 ところで、8億円の件がスッキリした議論になっていないというのも変であるが、こんなしょうもない議題で証人喚問を行って、犯罪者でもない民間人を国会に呼びつけ、間違ってたら偽証罪に問うぞと脅している様子もかなり暴力的であると言える。
 またここ数日、安倍夫人と籠池夫人のメールをもとに、辻元清美議員が森友学園に「侵入」したという疑惑で盛り上がっていたらしいが、これはかなり衝撃的だった。私も、はてブのホッテントリ一覧とかを眺めていて、タイトルに「辻元清美」と入っている記事がいくつか目に入りはしたのだが、その時点では森友問題で辻元議員など全く重要な登場人物ではないと思っていたから、クリックもせずに無視していた。両夫人のメールはネットにも上がっていたから私も先週ぐらいに読んでいたのだが、まさかこれを根拠に何かをマジメに主張する人いるとは想定外過ぎた。
 なんというか、思った以上にみなさん頭がヤバくなってますねと・・・。

「右翼叩き」のモチベーションが強すぎる

 なんでこんなにいびつな騒動になっているのかというと、分からないことも多いのだが、その原因の一端は、木村真という豊中市義がこの問題を最初に告発する時の動機が「極右の学校だから潰してやりたかった」ということだった点にあるのではないか。マスコミや国会野党へ伝わるにあたって、最初から、焚き付け方がおかしいのだ。
 稲田大臣の「教育勅語の核の部分を取り戻すべき」発言でしばらく盛り上がったのが、そのことをよく象徴している。「核の分」がどこかなんて何とでもいえるのだから、こんなのいくら騒いだところで大臣を叩き切れるわけがない。教育勅語が好きでも嫌いでもいいのだが、問い詰め方がまったく合理的でない。「私が思う核とは、仲よくしましょうの部分です。あなたがどこを核と思ってるかは知りませんけど」と言われたら、それ以上追及のしようはないにもかかわらず、米軍占領下の国会決議を持ち出して「稲田大臣は罷免すべき」と騒ぐ弁護士まで現れて笑ってしまった。


 「極右の森友と安倍を叩きたい」という動機で仕掛けられた騒ぎなので、当初から「安倍と籠池は仲良しなのか否か」というどうでもいい話題にこだわる人々が一定割合で存在しており、その方向で盛り上がった人たちが話をわかりづらくしている面がかなりあるように思う。
 また、それに対する与党のリアクションも過剰な防衛になっている。小田嶋隆がコラムで書いていたが、「首相夫人は私人」とか「私や妻が関与してたとなれは総理も議員も辞任する」とか、言わなくて良いことを言うもんだから、揚げ足取りでしょうもないツッコミを入れたくなるというわけである。
 べつに森友学園で講演したって、100万円寄付したって、名誉校長になったって、それ自体は構わないのに、ここまで躍起になって籠池切りをしたがっているのは何なのか。この過剰さは、なにかやましいことを隠すためのものかもしれないが、単にアホというか合理的でなくなっているだけかもしれない。

パーソナリティを踏まえずに証言を解釈している

 また、重要である割に軽んじている人が多いのが、登場人物がどんなパーソナリティの人たちなのかである。この事件をめぐっては今のところ物証が乏しい点が多く、「証言」をもとに色々な憶測が飛び交っているわけなのだが、「証言してる人の性格」というパラメータを踏まえて解釈しないと、大きく間違えることもありそうだ。もちろん、知り合いでもないのに性格なんて分かるかという話なのだが、想像してみてなるべく念頭に置きながら物事を解釈するぐらいのことは必要だ。


 まず籠池氏に関して言うと、菅野完氏が「意外と、ふつうの仕事熱心な大阪のおっちゃん」と表現していたのは恐らく正しいのだろうと私は想像している。付け加えるならば、この人は「思い込みが強いタイプ」でもあるだろう。「うそつき」とか「ダーティなビジネスマン」といったイメージではなく、「一生懸命で暑苦しく、思い込みが激しくてめんどくさい」人物だと思われる。
 政治家にいろいろ働きかけて、ちょっとよくしてもらうと、「あの先生は、森友学園がお国のために頑張っていることを理解してくれている。ありがたいことだ」とすぐ感激してしまって、ある意味一方的に信者になったりすることも多いのだろうと思われる。
 籠池氏が、安倍総理をはじめとして様々な政治家から便宜をはかってもらったかのような証言をしているのも、そういう性格がかなり関係していると思う。政治家の側からすると、「関西では顔が広いおっちゃんだし、自分の支持者だから、悪くはできないな」程度に対応しただけであったとしても、籠池氏のほうは「めちゃめちゃ良くしてもらった」と勘違いして、本気で喜んでしまうのだろう。そして、「森友学園の理念を分かってくれる○○先生に良くしてもらっている」というのは、彼にとって本当に誇りなのだろう。


 また、誹謗中傷にならないように言葉を選ぶ必要があるのだが、安倍昭恵夫人と籠池諄子夫人はともに、霊能力者か宇宙人のような人たちだと思った方がよいのではないか。この人たちもたぶん、嘘をついて誰かをだまそうとするタイプではなく、本当にいろいろ思い込みで突っ走るタイプだろう。
 こういう人たちが、記憶に基づいて何か証言したり、メールをやりとりしたりしているのを、いちいち真に受けていること自体がちょっとおかしいのだと、外野の我々は認識したほうがいいと思う。

掘ればいろいろ出てくる

 最後にもう1点あげておくと、籠池氏は政界にも顔の広いおっさんで、めちゃめちゃ熱心にロビー活動を行うから、政治家に色々と口を利いてもらっているのは確かなのだろうと思う。先ほども述べたように、適法な範囲内であれば口利きをしてもらってもべつにいいのだ。
 で、そういう人だから、掘れば色々と疑惑のネタにできそうな事実は見つかるのだ。そして籠池氏もそれを言いたがるところがあるから、話題に事欠かない感じになっており、そのせいで落ち着いて議論の道筋を整理するというふうにはなかなかならないのであろう。
 
 

年表(暫定)

 以下は自分で適当にまとめてる年表で、頭の整理のためにメモしてるものなので何度も確認したりはしておらず、間違いも結構あるかもしれません。あとで暇があったらソースへのリンクも貼りますがひとまず今はめんどくさくてやってません。

  • もともとこの伊丹空港周辺の土地は、騒音区域に指定した上で、大阪航空局が買収し、管理していた。その後、防音技術が進歩してだんだん騒音区域が小さくなり、騒音区域の指定から外れた土地については、どんどん売却していった。今回問題になっている場所も、全て売却する予定になっていた。*2
  • 籠池氏は10年前から小学校設立の構想を持っており、「安倍晋三記念小学校」を作りたいと考えていた。安倍晋三が衆議院議員のときに「安倍晋三記念小学校」という名前を使いだして、第二次安倍内閣組閣の時に断られたらしいので、使用期間は2007年〜2012年の間である。
  • 豊中市は問題の土地を、公園にしたいからと無償貸与を求めてきた。が、国は土地はタダでは貸せないしそもそも売却が原則だと言って、交渉がまとまっていなかった。2007~08年ごろになると、「2010年までに買ってほしい、それができないなら別のところに売却する」と市に最後通牒を突き付けてきた。*3
  • 2009年〜2012年に、国交省が調査をしていて、3メートルぐらいの深さまで廃材とか生活ゴミとかが埋まっていることは明らかになっていた。*4
  • 2010年に公園用地として、豊中市が求めた土地の半分ぐらいを14.2億円で売却(9492平米)した。豊中市はもともと「タダで貸してくれ」と交渉していたが、結局有償になり、値段も高かったので面積は半分で我慢したらしい。この時の不動産鑑定額は9.1億円。ただ、住宅市街地総合整備事業補助金(国交省)で7.1億円、地域活性化・公共投資臨時補助金(内閣府)で6.9億円が国から支払われた。さらに売買契約が瑕疵担保責任ありだったので、豊中市による整備時にかかった盛り土封じ込め費用の約2000万円も国に請求して支払われたため、結局ほとんどタダ同然の費用で買い取ることができた。
  • 籠池氏は2011年9月、学校設置基準の緩和を求めて大阪府に働きかけ始める(忘れたがたぶん大阪の議員経由でということだったと思う)。内容としては、学校の建設資金は自己資本でなければならないことになっていたのを、融資でも建設できるようにしてほしかった。
  • 2011年に大阪音大*5がこの国有地の取得希望を国に伝え、調整が始まった。この時は音大側で、撤去費を約2億5千万円と見積もった。2012年4月に国交省から「大量の埋設物がある」と知らされており、見積もりをゼネコンに頼んだもの。この撤去費をふまえ、もともと7億~8億円で交渉していた購入希望額を約5億8千万円にしてくれと頼んだが、財務局からそれでは安すぎると言われ、断念した*6。橋下メルマガでは、大阪音楽大学が近畿財務局に買い取りの交渉をしてきたのは2012年からとされているが、時期はどっちが正しいかよくわからない。
  • 2012年、大阪府によって学校設置基準が規制緩和される。もともと、小中高大の運営実績がある場合は融資で建設してもいいことになっていたので、「学校法人の運営実績があれば」という基準に変更し、幼稚園の運営実績でも融資による建設が可能になった。これについて松井・橋下は、森友学園に便宜を図ったのではなく、全体として猛烈に規制緩和を進めていて株式会社立も誘致しようとしていたので、その緩和の一部だと説明している。
  • 森友学園が取得した問題の土地は、いったん2012年10月に(伊丹空港と経営統合された)新関西国際空港に対して現物出資され、新会社のものになっていた。大阪航空局内ではこれをもって、土地売却のミッション完了ということで、土地管理の部署が解散した。
  • 2012年12月に、安倍晋三が自民党総裁となって第2次内閣の組閣をした。この段階で、「安倍晋三記念小学校」という名前はやめてくれと言われたので、森友学園側では使用を控えるようにした。もともとは、勝手に名前を使っていた。
  • 近畿財務局は、新関西国際空港に現物出資した土地について「大阪音大に売れそうだ」ということで、2013年1月に国の所有に戻した。橋下メルマガでは大阪音大に売るためにと書かれているが、他の記事では表向きは「手続上の錯誤があったため」とされてたみたいで、背景はよく分からない。土地は航空局が保有していたが、売却の事務は近畿財務局の仕事である。結局財務局は上述のとおり、大阪音大とは値段が折り合わずに破談して、売れなかった。
  • 豊中市は2013年4月、後に森友が買ったエリアのうち約472平方メートルを、特定有害物質の汚染区域に指定した。
  • 2013年9月、近畿財務局による土地取得の公募(6月からやってた)に森友学園が応じた。小学校用地としての取得を希望。国有地の売却等については公共の目的での利用が優先されることになっており、他にそういう希望はなかったので、森友学園と相対で交渉することになった。
  • 2014年10月、森友学園が大阪府に、小学校設置認可申請を提出。
  • 2014年12月、大阪府で私学審議会開かれるが、森友学園の財務状況に問題があるとの指摘が相次ぎ、認可保留となった。
  • 2015年1月に開かれた私学審議会では、一転して、「条件付きで認可適当」の答申が出た。条件とは、「小学校建設に係る工事請負契約の締結状況、寄附金の受入れ状況、詳細なカリキュラム及び入学志願者の出願状況等、開校に向けた進捗状況を次回以降の私学審議会の定例会において報告すること。」
  • 2015年2月、航空局・財務局との間で、ゴミ等の撤去費用(ノートには「工事費」と書いてある)が発生した場合は、2015年度予算で支払うとの口約束が行われた(と籠池氏は認識)。《籠池ノートより》
  • 2015年5月29日、近畿財務局は森友学園と10年間の定期借地契約と期間内の売買予約契約を結んだ。
  • 2015年8月、学校建設予定地から有害な埋設物が見つかり、近畿財務局と大阪航空局も現地で確認した。籠池氏はそんなものが出てきてびっくりしたみたいに言ってるが、もともと汚染地域にも指定されていたわけなので、不思議なことではない。
  • 2015年9月4日、有害物質の件で森友学園側は近畿財務局に対して陳情を行う(籠池氏本人ではなく、弁護士と業者が?)。*7
  • 2015年9月5日、昭恵夫人が塚本幼稚園で講演した。100万円を寄付したとされるのはこの日。
  • 2015年9月、当初は土地の整備に係る工事費は2015年度予算で国が払うと約束(たぶん口約束)していたのに、2015年度は予算化されていないことが判明。2016年度予算まで待ってくれと言われたが、11月に土地の整備が終わって建設に着手するはずが4ヵ月延びることになり、学校開設にも影響が出るし、4ヵ月遅れる分の利息は払う気あるのかなど、籠池氏側は国に対して不信感を抱いた。*8 
  • 2015年12月3日、森友学園が、大阪府、国交省、関西エアポート*9のそれぞれに対して、金額の異なる工事代金の契約書を提出した。国交省には補助金申請、関西エアポートには助成金申請のためだったので高めの価格を出し、大阪府には、私学設置認可をもらうため財務上の懸念を払拭しなければならないので、安めの金額で出したと考えられている。
  • 2015年12月までに、すでに見つかっていた有害物質を森友学園側が撤去し、豊中市による汚染区域指定は解除された。籠池氏は「立て替えていた」と証言しているが、この段階で、撤去費用の負担について何か国側と合意があったのかというと、上述のとおり2月に国側と口約束していただけと思われる。
  • 2015年?月、豊中市は給食センター用に、7200平米を関西エアポートから7億7148万円で購入(森友学園の8770平米よりすこし狭い)。購入後に瓦礫が大量に埋まっているのが見つかり、撤去費用を見積もったら14億3000万円となった。現在どうなってるのかは不明だが、瑕疵担保責任ありの契約らしいので、関西エアポートに「払え」と交渉中?
  • 2016年3月、森友学園に貸している土地で前年に見つかっていた有害物質の除去費用1億3176万円について、国が負担する合意書を締結。
  • 2016年3月、杭を打ち始めたら新たに生活ゴミが出てきた。籠池氏としては、追加分の処理費用はどうせ2016年度予算は措置できないのだろうと考え、また次年度予算まで待つことになって建設が先送りになるのは困るから、国に陳情を開始。感覚的に、借地料を半分ぐらいにまけてくれたら良いと思った。が、国側との交渉を代理していた弁護士が、「買い取ったほうが得です」と籠池氏に示唆したので、森友学園は買い取りを希望する旨を表明した。
  • 2016年4月、国交省(航空局)が、新たに見つかったゴミの撤去費用を見積もった。8億いくらと試算されたが、籠池氏はこの金額を当初知らなかったと証言している。
  • 2016年6月、近畿財務局は土地を森友学園に売却。瑕疵担保責任が免除される特約を付けている。もともと国の瑕疵でゴミが埋まっていたわけで、それが原因で開校が遅れて森友学園から損害賠償などを請求されたら大変なので、安値でもいいからさっさと売ってしまい、さらに瑕疵担保責任無しにしたかったらしい。
  • 2016年10月、稲田防衛大臣から森友学園に感謝状。(自衛隊に園児がプレゼントしたか何かのお返しなので大した話ではない。)
  • 2017年2月8日、豊中市の木村真市議が、「森友学園に売却した土地について、価格が非公表なのはおかしい」と大阪地裁に提訴。もともとこの土地は豊中市が無償貸与を希望して国から断られた土地だったので背景が気になったことと、森友学園は「極右の学校」なので潰したいと思ったとのこと。木村真市議は前年から、この件についてマスコミに騒いで欲しいと思って調べ物をしたりしていた。
  • 2017年2月9日、朝日新聞等が上記の訴訟に触れ、この土地について「近隣の土地は14億で売却されているのに森友学園には10分の1の価格で〜」と報道して、騒動が勃発。ただし、その豊中市に売ったときも補助金等が14億円出て、実質タダになったことには言及していない。
  • 2月10日、近畿財務局が売却価格や撤去費用の見積額を公表。
  • 2月22日、大阪府の私学審議会で、森友学園の経営に対する疑問が噴出。
  • 昭恵夫人、名誉校長辞任。
  • 2月下旬、財務省から弁護士を通じて籠池氏に、10日間ほど身を隠して欲しいと告げられた。
  • 3月10日、森友学園は小学校設置認可の申請を取り下げた。
  • 3月23日、籠池氏の証人喚問(午前中参院、午後衆院)。

 

*1:口利きの結果は「満額回答だった」と主張する記事で、満額の中身としてこの1億3000万円の件が挙げられていたが、それは変である。少なくとも、「これはもともと払うことになっていなかった」ことを示さないと、口利きの結果であるとは言えない。

*2:橋下メルマガより。

*3:木村真市議がそう語ってる。

*4:朝日新聞

*5:朝日新聞かなにかの記事では「別の学校法人」と書かれていて、橋下メルマガでは大阪音大と書かれていた。

*6:朝日新聞の報道

*7:同日、安倍首相は大阪入りしてテレビの収録などをやっていた。また同日、国交省のサステイナブルなんとかに瑞穂の国記念小学院の校舎が指定され6200万円の補助金交付が決定したと書いてるサイトがあったがソース未確認。

*8:籠池ノート

*9:新大阪国際空港は2016年4月からこの名称になっている。

千眼美子(清水富美加)『全部、言っちゃうね』(要約)

 昨日、本屋でレジの横に置いてあったのを衝動買いしました。新興宗教あるあるという感じの内容で、特に思うことはなかったので、要約だけ書いておきます。

生い立ちと騒動の経緯

 そもそも両親も2人の姉も幸福の科学の信者であり、自身は6歳の時に「三帰誓願」*1して正式に信者となった。『仏説・正心法語』などの経文を家族で読誦したりしていた。
 小学生の頃は「仏法真理塾 サクセスNo.1」に通っていたが、家から遠かったので辞めてしまい、ふつうの塾に行って日大附属中に入学した。


 中学に入るとモテ出して、芸能事務所からもスカウトされて調子に乗り、芸能方面で頑張っていくことにして高校から堀越学園に入ることにした。堀越学園は肌に合わず友達もできなかったのと、仕事が忙しかったので退学し、結局通信制の高校に転校したのだが。


 芸能の仕事はハードな割に給料が安かったが、経験を買っているのだと信じて頑張っていた。しかし一方で、「照魔の鏡」*2の教えを始めとして幸福の科学の教えは一つも疑わずに信じてきたから、事務所が取ってくるドラマやグラビアの仕事が教えに沿ってない内容のものばかりであることに、違和感を覚えていた。

何とか笑顔で元気にがんばっていましたけど、いざ、握手会とか人前に行ったら、手がぬるぬるしてるおじさんとかに、すっごい気持ち悪い握手のされ方をする。『この見知らぬおじさんが私の写真やDVDを観て家で何してるんだろう』とか考えてたらもう、ほんとに悲しくなって。


 それでも人を楽しませることができるのであれば、と言い聞かせて仕事に打ち込んでいたのだが、仮面ライダーの撮影を始めとして安い給料でこき使われる日々が続き、心身ともにボロボロになってきた。朝4時か5時に現場に入って深夜まで撮影が続き、1ヵ月間休みがないのもザラだったのだが、もらえる月給が4万5000円で交通費も支給されないので、ヒッチハイクで帰宅したりしていた。
 そういう時期が続いて何度か自殺しかけたのだが、以前から世話になっていた幸福の科学信者のAさんが「それはおかしい。命のほうが大事なんだから、仕事はやめるべき」と真剣に言ってくれて、「こんなありがたいこと言ってくれる人は芸能界にはいない」と感激した。それでも芸能界の仕事には面白さもあったし責任も感じていたから、仕事は一応継続し、辛い時は幸福の科学の礼拝室に行ってお祈りするようになっていた。


 2016年夏頃に、ある映画の撮影で役作りのためにホラー映画を観まくっていたら悪霊に憑依されてしまい、每日のように悪夢をみて、金縛りや幻覚に苦しむようになった。ヤバイと思ってマネージャーに相談してみたが、「みんな辛い時はある」の一点張りで、霊的なことが分かってもらえなかった。一方、幸福の科学の精舎では「悪霊封印秘鍵」という祈祷を勧められ、実際に受けてみたところ悪夢はすっかり収まって、撮影を何とか乗り切ることができた。


 2017年1月に、大川隆法総裁先生が自分の守護霊の霊言を収録してくださったのを拝聴して、「ありがたいな。こんな私のことも気にかけてくださったんだ」と感動し、「私も、幸福の科学の映画のような、人を幸せにするために作られた作品に出たい」という思いが強くなってきた。
 この霊言が出版されたときに、マネージャーから「こんなの出てるけど知ってる?」と言われ、最初は自分が信者であることは隠していたが、すぐに嘘をつくのが嫌になって、勢いで信仰を告白することになった。すると一緒にいた業界の人が「私は創価学会です」と信仰告白し、「宗教あるある」で盛り上がることとなった。
 創価学会では教えが厳しいので、子供のころから神社に行ってはダメとか、カランカランを鳴らしてはダメとか言われていて、友達に伝えるのも難しいからとても辛かった。一方、清水富美加の幸福の科学のほうは、「うちはもう天はみんな一緒で、イエスも、釈尊も、天照大神もみんなオッケー!」*3だから自由でよかったとのこと。


 「やはり芸能界ではなく、幸福の科学こそが自分の居場所である」という確信が強くなり、Aさんに相談して、「全てを捨てて出家する」ことを決意した。マネージャーには「これから先、人間として生きてる人たちに霊的に見て悪い影響を与えたり、悪魔的なものの力に加担してしまうような作品に出てしまう可能性があるなら、それは私にはこれ以上できないです」と伝えたが、意味がわからなかったようである。
 あとは幸福の科学の弁護士に任せて退職の交渉を続け、その間は芸能の仕事も継続していたが、再び悪霊に憑依されて、身体がガタガタ震え、幻聴が聞こえるようになった。病院に行ってみたら「これはもう限界を超えていて、仕事を続けたら死にます」と診断されたため、芸能の仕事を完全に断ることとし、出家することになった。
 出家してから大川隆法総裁先生に初めてお目にかかり、「CGじゃなかったんだ」と感激し、「何千年の奇跡」が起きたように感じた。

もう魂年齢が2億年、3億年*4とかいっても、この日のことは輝き続けるっていう実感がありました。

宗教について

 幸福の科学はカルトとして批判されることもあるが、「神様が常に自分を見ている」という感覚は全ての人が持っているべき普遍的なものであり、神社とかお寺に行くのと本質的には変わらない。幸福の科学は、その現代版に他ならない。
 自分は幸福の科学の教えを一度も疑ったことがなく、信じない人がいても別にいいのだが、「人を幸せにしよう」という心がけを非難される謂れはないはずである。幸福の科学は政治活動をしたりしていて、世間的に怪しいイメージがあるのは分かっているが、信者はそういう純粋な思いで信仰し、活動しているのである。


 自分が出家して何がしたいのかというと、つまるところは人を幸せにしたいだけである。

出家っていうと、家を出て頭を坊主にするみたいなイメージですけど、私にとっては、主のため、神のため、プラス、人々を幸せにするために特化して、教えを学んで、精神的な部分、考え方の部分で人を幸せにしていくエキスパートっていうイメージです。人の悩みを一発で解決できるっていうか。


 また、宗教をもっとカジュアルに楽しめるものにすればいいと考えている。

 無神論の人が多いと宗教の話は言いにくいけど、今後は、自分が何を信じてるのか全員言ってしまえばいいと思うんですよね。
 バラエティ番組でそういうのがあったらおもしろくないですか?
 ひな壇に幸福の科学の人がいて、ほかの宗教の人がいて、司会者が無神論者とか(笑)。「うちの宗教ではこんな教えがあります」「出た!幸福の科学の!」「え、ダメですか?」「じゃあ、創価学会の話を聞いてみましょう」みたいに、お互いの違いを楽しく言い合ったりすればおもしろいと思う。夕飯は洋食派か和食派かくらいのライトな感じで議論できればおもしろいですよね。

*1:洗礼みたいなものだろう。

*2:死んだら、自分が生まれてから死ぬまでの出来事が映画みたいに上映され、神様が、地獄行きか天国行きかを審判するらしい。

*3:「エル・カンターレ」という究極の存在があって、キリストや釈迦などはその具体的な現れの一つであると捉えられるので。

*4:たぶん、何回も生まれ変わって、魂レベルでは一つの生命を生きているという教えになっているのだろう。