The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

千眼美子(清水富美加)『全部、言っちゃうね』(要約)

 昨日、本屋でレジの横に置いてあったのを衝動買いしました。新興宗教あるあるという感じの内容で、特に思うことはなかったので、要約だけ書いておきます。

生い立ちと騒動の経緯

 そもそも両親も2人の姉も幸福の科学の信者であり、自身は6歳の時に「三帰誓願」*1して正式に信者となった。『仏説・正心法語』などの経文を家族で読誦したりしていた。
 小学生の頃は「仏法真理塾 サクセスNo.1」に通っていたが、家から遠かったので辞めてしまい、ふつうの塾に行って日大附属中に入学した。


 中学に入るとモテ出して、芸能事務所からもスカウトされて調子に乗り、芸能方面で頑張っていくことにして高校から堀越学園に入ることにした。堀越学園は肌に合わず友達もできなかったのと、仕事が忙しかったので退学し、結局通信制の高校に転校したのだが。


 芸能の仕事はハードな割に給料が安かったが、経験を買っているのだと信じて頑張っていた。しかし一方で、「照魔の鏡」*2の教えを始めとして幸福の科学の教えは一つも疑わずに信じてきたから、事務所が取ってくるドラマやグラビアの仕事が教えに沿ってない内容のものばかりであることに、違和感を覚えていた。

何とか笑顔で元気にがんばっていましたけど、いざ、握手会とか人前に行ったら、手がぬるぬるしてるおじさんとかに、すっごい気持ち悪い握手のされ方をする。『この見知らぬおじさんが私の写真やDVDを観て家で何してるんだろう』とか考えてたらもう、ほんとに悲しくなって。


 それでも人を楽しませることができるのであれば、と言い聞かせて仕事に打ち込んでいたのだが、仮面ライダーの撮影を始めとして安い給料でこき使われる日々が続き、心身ともにボロボロになってきた。朝4時か5時に現場に入って深夜まで撮影が続き、1ヵ月間休みがないのもザラだったのだが、もらえる月給が4万5000円で交通費も支給されないので、ヒッチハイクで帰宅したりしていた。
 そういう時期が続いて何度か自殺しかけたのだが、以前から世話になっていた幸福の科学信者のAさんが「それはおかしい。命のほうが大事なんだから、仕事はやめるべき」と真剣に言ってくれて、「こんなありがたいこと言ってくれる人は芸能界にはいない」と感激した。それでも芸能界の仕事には面白さもあったし責任も感じていたから、仕事は一応継続し、辛い時は幸福の科学の礼拝室に行ってお祈りするようになっていた。


 2016年夏頃に、ある映画の撮影で役作りのためにホラー映画を観まくっていたら悪霊に憑依されてしまい、每日のように悪夢をみて、金縛りや幻覚に苦しむようになった。ヤバイと思ってマネージャーに相談してみたが、「みんな辛い時はある」の一点張りで、霊的なことが分かってもらえなかった。一方、幸福の科学の精舎では「悪霊封印秘鍵」という祈祷を勧められ、実際に受けてみたところ悪夢はすっかり収まって、撮影を何とか乗り切ることができた。


 2017年1月に、大川隆法総裁先生が自分の守護霊の霊言を収録してくださったのを拝聴して、「ありがたいな。こんな私のことも気にかけてくださったんだ」と感動し、「私も、幸福の科学の映画のような、人を幸せにするために作られた作品に出たい」という思いが強くなってきた。
 この霊言が出版されたときに、マネージャーから「こんなの出てるけど知ってる?」と言われ、最初は自分が信者であることは隠していたが、すぐに嘘をつくのが嫌になって、勢いで信仰を告白することになった。すると一緒にいた業界の人が「私は創価学会です」と信仰告白し、「宗教あるある」で盛り上がることとなった。
 創価学会では教えが厳しいので、子供のころから神社に行ってはダメとか、カランカランを鳴らしてはダメとか言われていて、友達に伝えるのも難しいからとても辛かった。一方、清水富美加の幸福の科学のほうは、「うちはもう天はみんな一緒で、イエスも、釈尊も、天照大神もみんなオッケー!」*3だから自由でよかったとのこと。


 「やはり芸能界ではなく、幸福の科学こそが自分の居場所である」という確信が強くなり、Aさんに相談して、「全てを捨てて出家する」ことを決意した。マネージャーには「これから先、人間として生きてる人たちに霊的に見て悪い影響を与えたり、悪魔的なものの力に加担してしまうような作品に出てしまう可能性があるなら、それは私にはこれ以上できないです」と伝えたが、意味がわからなかったようである。
 あとは幸福の科学の弁護士に任せて退職の交渉を続け、その間は芸能の仕事も継続していたが、再び悪霊に憑依されて、身体がガタガタ震え、幻聴が聞こえるようになった。病院に行ってみたら「これはもう限界を超えていて、仕事を続けたら死にます」と診断されたため、芸能の仕事を完全に断ることとし、出家することになった。
 出家してから大川隆法総裁先生に初めてお目にかかり、「CGじゃなかったんだ」と感激し、「何千年の奇跡」が起きたように感じた。

もう魂年齢が2億年、3億年*4とかいっても、この日のことは輝き続けるっていう実感がありました。

宗教について

 幸福の科学はカルトとして批判されることもあるが、「神様が常に自分を見ている」という感覚は全ての人が持っているべき普遍的なものであり、神社とかお寺に行くのと本質的には変わらない。幸福の科学は、その現代版に他ならない。
 自分は幸福の科学の教えを一度も疑ったことがなく、信じない人がいても別にいいのだが、「人を幸せにしよう」という心がけを非難される謂れはないはずである。幸福の科学は政治活動をしたりしていて、世間的に怪しいイメージがあるのは分かっているが、信者はそういう純粋な思いで信仰し、活動しているのである。


 自分が出家して何がしたいのかというと、つまるところは人を幸せにしたいだけである。

出家っていうと、家を出て頭を坊主にするみたいなイメージですけど、私にとっては、主のため、神のため、プラス、人々を幸せにするために特化して、教えを学んで、精神的な部分、考え方の部分で人を幸せにしていくエキスパートっていうイメージです。人の悩みを一発で解決できるっていうか。


 また、宗教をもっとカジュアルに楽しめるものにすればいいと考えている。

 無神論の人が多いと宗教の話は言いにくいけど、今後は、自分が何を信じてるのか全員言ってしまえばいいと思うんですよね。
 バラエティ番組でそういうのがあったらおもしろくないですか?
 ひな壇に幸福の科学の人がいて、ほかの宗教の人がいて、司会者が無神論者とか(笑)。「うちの宗教ではこんな教えがあります」「出た!幸福の科学の!」「え、ダメですか?」「じゃあ、創価学会の話を聞いてみましょう」みたいに、お互いの違いを楽しく言い合ったりすればおもしろいと思う。夕飯は洋食派か和食派かくらいのライトな感じで議論できればおもしろいですよね。

*1:洗礼みたいなものだろう。

*2:死んだら、自分が生まれてから死ぬまでの出来事が映画みたいに上映され、神様が、地獄行きか天国行きかを審判するらしい。

*3:「エル・カンターレ」という究極の存在があって、キリストや釈迦などはその具体的な現れの一つであると捉えられるので。

*4:たぶん、何回も生まれ変わって、魂レベルでは一つの生命を生きているという教えになっているのだろう。