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The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。このブログの裏で始めた統計&プログラミングのブログのほうがアクセスが伸びてしまい、こっちが裏みたいになってます。

おもろいもん出てきた(就職活動の話……某社人事部採用担当へのヒアリング)

日記 就職活動 経済


 3年前に、食品会社や製薬会社を狙って研究職志望で就職活動を始めた▲▲大学のA子さんから、エントリーシートの書き方とか面接での自己PRの仕方について、相談を受けたことがありました(私は1年早く就職が決まっていたので)。
 で、たまたま私は、某大手食品会社の人事部採用担当にB子という知り合いがいたので、昔の同級生のよしみで「採用側の視点からのアドバイス」をもらおうと思い、ヒアリングを実施したわけです。


 さっきファイルを色々あさってたら、そのときのヒアリングのメモが出てきまして、読み返したらけっこう面白かったので貼り付けます。
 何がすごいって、B子のプロ目線のコメントもさすが*1だけど、マメにこんな議事録を起こしてた俺の暇っぷりがすごいね(笑)


 文中に登場する社名は伏せておきます。一部推測可能な社名もありますが(笑)、B子の会社は絶対に推測できないように書いてあります。私の記憶をもとにメモを起こしているので、B子の真意にそぐわない箇所もひょっとしたらあるかも知れません。
 文中の「C太郎」は私です。
 なお、A子さんは無事、本文中には登場しない某大手メーカーに研究職として採用されました。


↓以下ヒアリング記録全文。

C太郎 A子さんは食品か製薬の研究職志望なんだけど、選考する人って、やっぱり人事部の人なの? 人事だと基本的に文系だよね。


B子 会社にもよると思うけど、最初はまず、人事部の若手が大量のESを絞り込む作業からはじまるね。研究職でも、一次面接までは人事部の若手が担当して、二次面接ぐらいから役員が登場するのがふつうなんじゃないかな。


C太郎 ESとか面接で、研究の専門的な内容はどれぐらいアピールして良いものなの? 採用する側って、研究内容を聞いても分からない人も多いよね?


B子 まぁそうだね。会社によると思うけど。募集するときに「○○学部」とか「○○学科」っていう細かい条件を付けてるような会社の場合は、専門性のある能力を持った人材を求めてるわけだから、ほんとに専門的な研究職の若手が最初から選考に関わってることも多いと思うよ。だから、そういう場合は専門性を押し出してアピールしていけば良い。
 商品開発の即戦力を欲しがっている会社も、やっぱりあるんだよね。入社して1年目で実際に商品開発のプロジェクトに入って、2年目からはもう自分のプロジェクトを持つような会社もある。そういう会社を受ける場合は、今の自分の技術とか能力が、“売れる商品”の開発にどう生かせるかが問われるね。


C太郎 ESを絞る段階で、研究の専門的な内容はどれぐらい見るものなの?


B子 ぶっちゃけ、私は見ないね。上のほう(会社の上司)から「こういう内容の研究をしてる学生が欲しい」とか、具体的な要望がある場合もあるのね。そういうときは、それ以外の学生はプレエントリーで落としたり、書類で落として、上まで上がって行かないようにする。そういえば、「国公立大の大学院卒」っていうふうに学歴で条件を付けるときもあるね。
 でも、私たちが読んでて本当に面白いのがあったら、(指示された条件を満たしていなくても)上の人に「とりあえず読んでみて下さい」って売り込んだりもするよ。


C太郎 たとえば、理系の専門用語とかって、あんま使わないほうがいいの? 文系の職員が選考する場合は、書かれてもわからないよね。


B子 私なんかはもうアレルギーだから(笑) 分からない専門用語とかがあると、読む気なくすよね。


C太郎 じゃあさ、面接なんかでも、とりあえず専門的すぎることは言わないほうがいいのかな。基本的には素人にも分かるような言い方で、かつ面白く自分の研究内容を伝えるようにしておいて、専門的な細かいことは「聞かれたら答える」ぐらいの作戦で行けばいいのかな?


B子 そうだね。聞いてくるってことは、向うが知りたがってるわけだから。向うが突っ込んできたら、どんどん説明すればいいよ。


C太郎 ESってやっぱり、あんまり細かくは読まないものなの?


B子 正直、見た目だね。パッと見が重要。うちの場合、採用は20人なのに5000通ぐらい応募があるからね。ザッと眺めて、面白そうだったらちゃんと読む。面白くなさそうだったら読まない。写真が汚かったりしたら、もう読まずに捨てるよ。


C太郎 やっぱ何百枚も何千枚も読んでたら、疲れるよね……。


B子 疲れる。だから、視覚に訴えるような書き方をするのがすごく大事。C太郎も言ってたけど、「 」や“ ”をうまく使って強調するとかね。


C太郎 そうそう、俺もマスコミのESを書いてた頃は、自己PRを箇条書きにしてみたり、字の大きさとかレイアウトに気をつかって目立つようにしてたな。俺の周りでも、とくにテレビとか出版社を受けてた奴はすごかったね。


B子 あとね、自己PRなんかを書くときに、自分がどういう人なのかを分かりやすく表すフレーズがあるといいよね。


C太郎 自分のキャッチコピーみたいな?


B子 そうそう。そういうフレーズをカッコでくくったりして何ヵ所かに書いておくと、「あぁなるほど、そういう人なのね」っていうのが、ESを眺めててすぐにわかるよね。


C太郎 A子さんの自己PRはどう?


B子 うーん、他の人と同じような自己PRになっちゃってると思う。正直、普通すぎてあまり印象に残らないと思うよ。せっかく「来年の自分」を売り込むところなのに!
 学生時代に頑張ったことも、「研究室活動」って書いてあるけど、それだけだと弱いよね。そもそも研究職で受けに来る学生は、研究に没頭してる人ばっかりだからね。そういう人たちの中で、どうやって目立つかが問題なわけだから。


C太郎 そっか。やっぱ目立たないとダメだよね。


B子 音楽とか、「色々やってそうな人なんだなぁ〜」っていう印象はあるんだよね。学校を変えてまで研究してるんだから、一生懸命な人なのも分かる。
 だけど、学生時代に「何をやったか」は書いてあるのに、その結果として「自分がどういう性格や能力をもった人間になれたのか」が具体的に書かれていないから分からないんだよね。ぶっちゃけ、この内容だと、他の人でも同じこと書けそうだよね。いろんなことをやってみた結果、自分がどういう人間になったのか、どういうふうに企業の利益に貢献できる人間になったのかがイメージできるように、もっと具体的に書いて欲しい。


C太郎 まぁ確かに、このままだと内容の印象は薄いかもね。インパクトはないか。


B子 ▲▲大の大学院にいるんだから、まぁ学歴で切られることはあり得ないよね。せっかく▲▲大に居るんだから、「▲▲大でしかできないこと」をもっとアピールしたほうがいいよ。あとは「自分にしかできないこと」だね。
 全体的に、A子さんはまだESを書き慣れてないんだなぁっていう印象を受けるのね。もっと練習したほうがいいと思う。字数制限ってあるよね? 400字とかの。まず始めに、字数制限をかなりオーバーするぐらい書くんだよ。とにかくネタを自由に書き出してみる。で、字数オーバーした文章を要約したものを、ESに書く。その中で自分が一番こだわりたいポイント、これだけは絶対に外せないっていうポイントに絞って書く。


C太郎 そうやって内容を洗練させるってこと?


B子 それもあるし、オーバーして書いておくと、残りの部分が面接のときに役立つんだよね。面接官がESを見ていろいろ聞いてきたときに、すぐ答えられるからね。


C太郎 そっか、話のネタが用意できてると楽だよね。面接はESに沿って質問されるわけだし。……あのさ、理系の研究職でも“面白さ”ってけっこう重要なの?


B子  重要、重要。ESも、「お、この人面白そうだな」とか「この人、ちょっと会ってみたいな」って思わせるようなのじゃなきゃダメだよ。
 理系の研究職でも、ゴチゴチにアタマの堅い、見るからに理系研究者っぽい人はダメ。やっぱり商品開発って“遊び心”が大事だからね。X社なんかは、学歴とかは考慮してなくて人物重視で採用してるから、面接でキャラをアピールするのが重要だね。


C太郎 理系でもキャラが大事なの?


B子 うん。研究職だって、自分のキャラを面白いと思わせる必要はある。あと、プレゼン能力もかなり重要だね。商品開発は研究員がやっているわけだけど、研究員がたとえば社長にプレゼンして、具体的にプロジェクトを立ち上げるかどうかを判断してもらうわけでしょ。
 営業担当の職員にプレゼンするときもある。商品開発のためにはやっぱり営業の人たちと協力する必要があって、そういう職員に営業や調査を頼むときにも、自分の研究内容をプレゼンして理解してもらわなきゃダメだからね。


C太郎 ああそうか。やっぱ、研究開発の専門的な内容が分からない人に対しても、分かりやすく説明してアピールできないとダメってことね。


B子 そう。むしろ「この子、営業でもいけるんじゃないの?!」って思わせるぐらいの、明るくて、社交的で、面白い人がいいよ。見た目も大事だね。研究者っぽくないキャラの人のほうが印象に残るし、好まれると思うよ。


C太郎 ああ、その点ではA子さん有利かも。理系っぽいイメージがまったく無くて、文系じゃなかったのが惜しいぐらいだから(笑)


B子 ほんとに? じゃぁ絶対、“研究者っぽくない感じ”をアピールしていったほうがいいよ!


C太郎 なんかさ、A子さん自身は学生時代はほとんど研究に時間を取られてて、とくにネタになるようなことはしてないらしいんだよね。それで、面白い内容の自己PRとかを書くのが大変みたいなんだけど。


B子  今まで書いてあるESの文章のなかからでもいいから、自分にとって一番こだわりのあること、これだけは絶対に削除したくない!ってことを見つけて、それにドラマ性を持たせて書くんだよ。作家でもブログの女王でもいいけど、ああいう人って、日常の何気ないことをすごく面白く読めるように書くでしょ。そういう気持ちで書けばいいよ。
 ちょっと大げさにしてもいいから、ドラマチックにね。もちろん、ヘンな目立ち方をするのはダメなんだけど……。


C太郎 木曜日がS社のESの締め切りで、白紙のA4一枚の課題があって、“挑戦”とか“創造”してる自分の人生をアピールしなきゃいけないらしいんだけど……


B子 あ、それ私が受けたときと変わってないね。私は写真をいっぱい使って、「B子図鑑」を作ったりしたね。


C太郎 通ったの?


B子  ESは通ったよ。面接で落ちたけど。S社は、広告会社を受けるようなノリで受けたほうが良いよ。面接がかなり重要で、理系の研究職でもキャラが重視されてる感じ。こないだ「ガイアの夜明け」でS社の研究員の社長プレゼンの話をやってたんだよね。かなりユニークで、こだわりが強くて、面白い人だった。その人はウィスキーの商品開発をしていて、社長プレゼンをする話。研究で行きづまったときには行きつけのバーに寄って相談するんだって。


C太郎 S社って、ぶっちゃけ、めちゃくちゃ難しいでしょ? 就職したい企業ランキングでも3位とか4位とかに入るよね。


B子  うん。S社は少数精鋭だしね。あそこは無駄な人件費は絶対に払わないっていうポリシーでやってるみたい。


C太郎 A子さんの志望動機とかはどう?


B子 志望動機もこれだと弱いね。大手のメーカーって、正直「有名だから」っていう理由で受ける学生も多いけど、会社側はやっぱそういうのは嫌がるからね。その人なりのこだわりとかが伝わってくる「志望動機」じゃないと。
 こないだT社の社長に会ったんだけど、「商品開発者は『想い』の強さが大事」って言ってた。命がけで社長を口説き落とすぐらいの、強いこだわりをもった人でないと、商品開発はできないねって。「こだわり」だよ。
 O社の志望動機で、「栄養補助食品にも力を入れている」ってあるけど、O社はむしろ栄養補助食品は「輸入」に力を入れてる感じだと思うよ。●●●ーメイトとかは「製造」してるけど。
 この「志望動機」の内容だと、ぶっちゃけ他の人でも書けそうだよね……。印象には残りにくいと思う。


C太郎 企業研究が足りないのかな? 会社の業務内容とか戦略とかをよく知らないと、こだわった内容は書けないし。


B子 そうだね。企業のホームページなんかもよく読んだほうがいいと思う。商品展開の路線とかもわかるしね。O社でいえば、大衆薬品を拡大していくのかどうか、とか。私は昔から、食品とか薬品の、商品をチェックするのが好きなんだよね。だからいろんな会社の商品展開を、店をまわって見てるよ。


C太郎 他社の商品もチェックしていくべきだよね?


B子 ライバル会社の動きは要チェックだね。あそこの会社はこういう商品を出して、けっこう売れてるけど、それに対してこっちの会社はどうするのか……とか。


C太郎 かなり熱意をもって、詳しくならないとね。


B子 私がS社を受けたとき、会社側から何も求められてないのに、企画書を書いてきて「プレゼンさせてください」って言ってる人がいたよ。その人が受かったかどうかは知らないけど。うちの会社でもこないだ、求めてないのに企画書を書いてきた学生がいたよ。その人はコンピュータとかIT関係の職種を希望してる人で、うちの会社のHPの改善案を書いてきたんだよね。その企画書は、社長がいまも大事に取ってるよ。


C太郎 すごいな(笑) 具体的に企画できるぐらいのこだわりがあれば強いよね


B子 会社を褒めるよりも、逆に疑問を投げかけるような内容のほうが印象に残るよ。たとえば●●●ーメイトのネタでいくなら、この前、ドリンクのコーンポタージュ味が出たんだよね。でもそれがすんごいマズイの。●●●ーメイトってやっぱり売れてるし、そういうブランドイメージの強い商品は、シリーズで新しいのを出していけば絶対売れるんだよね。でもあんなにマズイのを出しちゃったら、ブランドイメージが傷つくでしょ。
 「コーンポタージュ味は『●●●ーメイト』ブランドの破壊になります。だから早くやめた方がいいですよ!」って、そういう疑問を投げかける提案をしたほうがいいよね。


C太郎 ああ、それは思いつかなかったポイントだな。


B子 とにかく、O社の場合でいえば、●●●ーメイトを超えるものを作ってもらいたいわけだから。メーカー側は、商品開発をする人には、とにかく既存の製品を超えるものを開発できる力を求めるわけ。私がN社を受けたときは、研究職の人には、「■■■■ードルを超えてください」って言ってたよ。

*1:私は入社後、会社で採用活動に部分的に携わったこともあって、その後で読むと当たり前のことではあるんだけど。