会社に入って受けた最初の研修で、教官から言われた話で一番よく覚えているのは、「何の略なのか知らずに略称を使うな」ということ。もっというと、「良く分かってない言葉を使うな」ってことだ。
「OJT」*1とか「CDO」*2とか「CDS」*3とか「ICBM」*4とか「ATM」*5とか「ETC」*6とか「CEO」*7とか、「ワシントンD.C.」*8とか、あらゆる分野にわたっていろんな略称が流通してるけど、幹部連中は老人でよく分かってないんだから、説明を求められたときにまず「何の略なのか」から始まって「どういう意味なのか」を即座に答えられるようにしとけと。とくに、国際機関など各種組織名とか。
また、会社とは別の場でも、ある評論家の先生が酒場でよく「それはもともとどういう意味なの? もっと言葉に敏感になった方がいい」と言っていてまったくおっしゃる通りだなと。
これはけっこう重要な教訓です。意識的に努力しないと、知らないまま流してしまう略称は結構ある。で、元の言葉が何なのか知らずに堂々と略してみせるなんて、たしかにダサすぎる。てかそれって略してるとは言えないし。
今日、ふと思い立って、人名のなかで何のイニシャル(頭文字)なのかよく分からずに使っているものをいくつか調べてみた。
私が分かってないと同時に、分からずに使ってる人が多そうなものを挙げてみます。
(1) J.D.サリンジャー(作家)
(2) O.J.シンプソン(殺人犯)
(3) H.G.ウェルズ(SF作家)
(4) ジョージ.W.ブッシュ(子)およびジョージ.H.W.ブッシュ(父)(米大統領)
(5) E.H.カー(歴史学者、国際政治学者)
(6) T.S.エリオット(詩人)
(7) J.R.R.トールキン(作家)
全部わかる人って、いたらけっこうすごいと思う。大学の先生とかでも分からずに使ってる人、絶対いると思う。とくに(2)、(3)、(5)あたり。
答えは以下のとおり。
(1) Jerome David Salinger
⇒ デイヴィッドはかすかに聞いたことあるような気がする。
(2) Orenthal James Simpson
⇒ 今調べて初めて知った。
(3) Herbert George Wells
⇒ 今調べて初めて知った。
(4) George Walker Bush および George Herbert Walker Bush
⇒ Wは「ホワイト」だと勝手に思ってた……。
(5) Edward Hallett Carr
⇒ ほとんど誰も知らんだろう。岩波新書の『歴史とは何か』にもE・Hとしか書いてないし(笑)
(6) Thomas Stearns Eliot
⇒トーマスは覚えてたが、スターンズは知らんかった……。
(7) John Ronald Reuel Tolkien
⇒完全に苗字しか知らんかった。
ほかにもいろいろありそうだ。
あと、あんま関係ないけど、こないだ英語の語源の本を買ってきて「Good-bye」は「God be with you」が短縮されてできた言葉だと知って感動しました。