The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

感激のニュース×2

 べつに産経新聞のファンではないのですが、今朝デニーズで産経新聞を読んでいて気になった記事が2本。

 北海道・十勝に“本物”のチーズ 世界が太鼓判
 http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081026/sty0810260909002-n1.htm


 (略)
 代表の宮嶋望さんは「福田前首相夫妻が米国のブッシュ大統領の誕生日にプレゼントし、さらに夕食会にも出されたんです。イタリアのベルルスコーニ首相がおかわりをしたと聞き、うれしかったですね」と声を弾ませる。
 それもそのはず、一足先に昨年、ドイツで行われた国際的なコンテスト「山のチーズオリンピック」で、本場の欧州を抑えて日本初の金メダルを獲得した手作りチーズなのだ。
 しかし、宮嶋さんはこう続ける。「いつかブッシュ大統領に言いたいですね。『米国のまねはしないぞ』という思いで作ったチーズなんですよ、と」

 (略)

 宮嶋さんとともに農場で働くスタッフの多くは、体の障害や心の悩みを持つ人たちだ。「技術習得に時間がかかるので、10年後に売れるものを作ろうと思ったんです」


 共働学舎新得農場のウェブサイトには、「北海道・十勝平野の西の玄関、新得町。この町の通称“牛乳山”と呼ばれる山のふもとに、共働学舎新得農場があります。身体が不自由だったり、精神的に安心できなかったりで一般の学校や会社に行かなかった人、行きたくない人、牛が飼いたくてやってきた人など、さまざまな人が色々な理由でここに集まってきています。」とありました。頑張ってほしいものです。


 ……。


 もう1つは、福沢諭吉の若い頃の写真が新たに発見されたというニュース。

 福沢諭吉の新たな写真発見 オランダで http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/081025/acd0810251940007-n1.htm


 
 


 ちょうど今の私と同い年です。
 日本刀をぶら下げて普通に海外旅行できるというのも改めて考えるとすごいけど、それよりこの顔つきの清々しさ!
 『学問のすすめ』とか『福翁自伝』で書いてることそのまんま!って感じの顔じゃないですか(笑)。


 誰も注目してないと思うんですが、『学問のすすめ』の中で私が一番好きなセリフは、「顔色容貌の活撥愉快なるは人の徳義の一箇条にして、人間交際において最も大切なるものなり」という一文です。
 ちなみに福沢がいう「人間交際」にはけっこう広い意味があって、「社会」と置き換えると大袈裟ですが、少なくともプライベートな交際に限ったものではありません。
 人前で「活発」な顔つき――表情のことです――をしていることが、「徳義」の一つであり最も大事なことなんだというのは、福沢にとって誇張でも冗談でもなかったと思います。その他、たとえばスピーチの技術を磨くべしとか、怨望・嫉妬の感情だけは抱いてはならぬとか色々言ってますが、それらも単なる人生訓ではなく、彼はそこから真面目に思想を展開して、近代文明論にまでつなげていくわけですよね。明朗快活な人格をもって公明正大に議論を尽くすことこそが、人間の社会を豊かにするのであると。
 私も、顔つきが「活発愉快」な人間は精神も「活発愉快」に違いなく、そういう人間こそが「文明」や「文化」を支えているのだという気がするし、22歳ぐらいの頃から人間を顔で判断して間違ったことがないと自負しておりますw。


 で、この写真を見たら、諭吉の顔が彼の文章そのまんまなもんで、感激してしまいました。本当に愉快な人物だったんだろうな、しゃべったら気持ち良いだろうなと。
 いや、もちろん他にも写真はたくさんあって私も見た覚えはありますけど、ほとんど「知識人」然とした写真ばかりだった。こんなにも分かりやすく、「活発愉快」というか「自由闊達」なオーラが伝わってきた写真は初めてです。