The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

読書メモ

『表象〈01〉』

『表象』という、単行本扱いだが雑誌みたいな本が創刊されていて、浅田彰と松浦寿耀という東大教授の対談を読むために買ってみた。 「ともかく、アメリカ的な合理化に耐える人文知が実は重要だと思うので、アメリカ的なプラグマティズムだけが全面化すると人…

ニーチェ

(*´- ェ-`)´- ェ-`)´- ェ-`) 「ひとの歩き方で、はたしてかれが自分の道を歩いているかどうかがわかる。わたしの歩くところを見るがいい! 自分の目標に近づいた者の足は踊りだす。」(ニーチェ) (*´- ェ-`)´- ェ-`)´- ェ-`) 「今後、あなたがたに栄…

浅田彰『構造と力』

構造と力―記号論を超えて作者: 浅田彰出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 1983/09/10メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 183回この商品を含むブログ (137件) を見る ちょうど大学1年生のときに読んだのだが、この本で感心できたのは以下の部分のみかも知れ…

ニーチェ『善悪の彼岸』

久しぶりにパラパラと読み返してみた。(岩波文庫版) ○ 高い感覚の強さではなく、むしろその持続が高い人間を作る。(p.103) ○ 天才をもつ人間は、少なくともその上なお二通りのものを所有しないならば、耐えがたい存在である。すなわち、感恩と、純潔と。…

ツァラトゥストラ

学生時代にやるべきことは2つしかない──ニーチェを真面目に読むことと、キルケゴールを真剣に読むことだ! 『ツァラトゥストラはこう言った』(岩波文庫)より。 「劇務や、スピードや、新奇なものや、異常なものを好むあなたがた全部──あなたがたは自分自身…

キルケゴール『不安の概念』

『不安の概念』はすごい本でした。驚いたことに、岩波文庫が重版されていて、いま友朋堂とかに行けばふつうに新品が買えます。俺は20年前のやつを古本で買ったのに……。 ○ そのかわりに私は、不安を抱くことを覚えるというこのことは、誰もがやりとげねばなら…

ブルトン『シュルレアリスム宣言』

いま日本の若者が「シュールな発想だなぁ」とか言うときの「シュール」は、「シュルレアリスム」(超現実主義)を略したものである。この、20世紀はじめの芸術運動である「シュルレアリスム」とは何なのかが知りたければ、ネットで調べた後にとりあえず本書…

山田風太郎『あと千回の晩飯』

主に老後論と食事論。 一番面白かったのは197頁からの「少年時代の映画」というエッセイで、これは後で覚えていたらコピーしておこう。 小津安次郎、夏目漱石などの食事の記録も紹介されていて面白い。 「それに白内障も悪いことばかりではない。眼は、風景…

メルロ=ポンティ『眼と精神』——芸術論の傑作中の傑作

最近、「芸術」について書かれた本をいくつか読んでみている。そのうちの一冊。 本書には、メルロ=ポンティの3つの講演と1つの論文が収められている。表題になっている「眼と精神」という論文は、メルロ=ポンティの生前に出版された最後の著作だ。以下、こ…

石川啄木『時代閉塞の状況・食うべき詩 ほか十篇』

(2018.2.22追記 とあるメルマガに、このブログに書いたのと同じような内容の文章を書きました。パクりじゃねーのと思う人がいるかもしれないので、注記しておきますw) 啄木の歌集は素晴らしいが、彼の文芸・社会評論もなかなか面白い。明治40年代の文学界…

スティーブン・ピンカー『人間の本性を考える 〜心は「空白の石版」か』

人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)作者: スティーブン・ピンカー,山下篤子出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2004/08/31メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 57回この商品を含むブログ (114件) を見る とりあえず上巻だけ読んだ…

H・アレント『人間の条件』

人間の条件 (ちくま学芸文庫)作者: ハンナアレント,Hannah Arendt,志水速雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1994/10メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 77回この商品を含むブログ (122件) を見る 本書はアレントの主著のひとつであり、社会思想の領域で私…

マーシャル・マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』

グーテンベルクの銀河系―活字人間の形成作者: マーシャルマクルーハン,森常治出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1986/02/20メディア: 単行本 クリック: 30回この商品を含むブログ (36件) を見る 言わずと知れた、メディア論の古典中の古典。しかし7,500円…

J・P・サルトル『嘔吐』

嘔吐作者: J‐P・サルトル,白井浩司出版社/メーカー: 人文書院発売日: 1994/11メディア: 単行本 クリック: 62回この商品を含むブログ (81件) を見る アントワーヌ・ロカンタンという名の孤独な歴史家が、ド・ロルボン侯爵(←誰やねん)についての研究をまとめ…

C.レヴィ=ストロース、G.シャルボニエ『レヴィ=ストロースとの対話』

レヴィ・ストロースとの対話作者: レヴィ・ストロース,ジョルジュ・シャルボニエ,多田智満子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1970/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 本書は、G.シャルボニエという人がラジオ番組で行…

キルケゴール『死に至る病』

死に至る病 (岩波文庫)作者: キェルケゴール,斎藤信治出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1957/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 62回この商品を含むブログ (102件) を見る とにかく最高クラスの知名度を持つ哲学書だ。「絶望」をテーマにした、一見する…

M・メルロ=ポンティ『行動の構造』

行動の構造作者: メルロ=ポンティ,滝浦静雄,木田元出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1964/10/30メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る この本はすばらしい。メルロ=ポンティは、「有名な割に人気がない」「おもしろい割に読…

西部邁『経済倫理学序説』

経済倫理学序説 (中公文庫)作者: 西部邁出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1991/11メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る 1983年に出版され、同年の吉野作造賞を受賞した、経済学者時代の西部邁の代表的作品のひとつ。「学者」時…

L.ウィトゲンシュタイン『哲学探究』

ウイトゲンシュタイン全集 8作者: ウィトゲンシュタイン,藤本隆志出版社/メーカー: 大修館書店発売日: 1976/01メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (21件) を見る ウィトゲンシュタインが、初期の代表作『論理哲学論考』に自ら限界を感じて…

ボードリヤール『象徴交換と死』

象徴交換と死 (ちくま学芸文庫)作者: ジャンボードリヤール,Jean Baudrillard,今村仁司,塚原史出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1992/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (29件) を見る ボードリヤールが本書で主張していること…

高橋伸夫『虚妄の成果主義』

虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ作者: 高橋伸夫出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2004/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 47回この商品を含むブログ (67件) を見る ベストセラーになった、「成果主義」批判の書である。 第1章は成果主義を批…