The Midnight Seminar

読書感想や雑記です。近い内容の記事を他のWeb媒体や雑誌で書いてる場合があります。このブログは単なるメモなので内容に責任は持ちません。

芸術

岡倉天心『茶の本』(岩波文庫)

岡倉天心は明治時代を通じて活躍した美術研究家である。ちなみに、天心が設立に尽力し、第二代校長を務めた東京美術学校は、現在の東京芸大美術学部だ。 「アジアは一つである」というのは天心がロンドンで出版した『東洋の理想』の冒頭の有名な一文だが、こ…

渡邊二郎『芸術の哲学』(ちくま学芸文庫)

アリストテレスの詩論、ニーチェの悲劇論、ハイデガーの存在論、ガダマーの解釈学を経由して、またそれらを縦横に組み合わせて、「存在論的美学」の立場に立つ芸術の哲学に触れさせるのが本書前半の狙いである。歴史上の大哲学者たちが展開した芸術論をなぞ…

salyuのライブ

Salyuのセカンドアルバム『TERMINAL』のライブに行ってきた! 「卵のかたちの完璧さ」というものを分かってくれる人がもし居たら、Salyuが我々に聴かせるのはそういう完璧さをもった歌声なのだと言いたい。 「芸術は爆発だ」という岡本太郎の名言があって、…

メルロ=ポンティ『眼と精神』——芸術論の傑作中の傑作

最近、「芸術」について書かれた本をいくつか読んでみている。そのうちの一冊。 本書には、メルロ=ポンティの3つの講演と1つの論文が収められている。表題になっている「眼と精神」という論文は、メルロ=ポンティの生前に出版された最後の著作だ。以下、こ…

C.レヴィ=ストロース、G.シャルボニエ『レヴィ=ストロースとの対話』

レヴィ・ストロースとの対話作者: レヴィ・ストロース,ジョルジュ・シャルボニエ,多田智満子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 1970/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 本書は、G.シャルボニエという人がラジオ番組で行…